夫婦で「保活」に挑んだ男性が得た意外な気づき 育休をとったコピーライターの奮闘記
厚生労働省の発表では、全国の「待機児童」は、1万9895人(2018年4月1日時点)。前年比では4年ぶりに減少傾向になったが、いまだ2万人近い。そして、今年もまた「保活」の命運が分かれる季節だが、保活の負担もイニシアチブも、母親(妻)に偏重しがちな現実がある。
一方で、保活を二人三脚で行う家庭も徐々に見られるようになった。東京で広告会社、電通に勤務しながら、第一子(娘)の誕生を機に6カ月の育休を取った魚返洋平氏は、著書『男コピーライター、育休をとる。』の中で、同じく育休中の妻と共に体験した保活の一部始終(2017~2018年)をつづっている。今回は、とある激戦区でのケースを男性の視点から語ってもらおう。
「認可保育園至上主義」からの解放
僕の住んでいる地方自治体(区)は、全国でも屈指の待機児童数である。認可保育園(以下、認可)の申込書に「第30希望」まで記入できる、と知ったときは驚愕したものだ。どこまで熾烈な戦いが始まるんだ?
せっかく半年間の育休を取っていたこともあり、夫婦二人で保活を頑張ってみることにした。目指すゴールは、わが子が0歳の4月に入園させること。妻もそのタイミングで復職する予定だった。
本来、保活なんて不要であるに越したことはないのだが、共働きである以上、レースへの不参加を決め込むわけにもいかないのがつらいところ。ただ、そんな保活も二人三脚で行うことで、家族にとってポジティブなチャンスになりうる。これは体験してみて感じたことだ。
重要な気づきがもう1つ。“認可保育園至上主義”に陥る必要はないということだ。僕は当初、認可に比べて認可外保育園(以下、認可外)は、保育料が高く、かつ保育の質もリスキーなのではないか? といった先入観を持っていた。だが、必ずしもそうとは限らないのだと知ることになる。以下、わが家がたどった道筋を紹介したい。
認可の入園選考は、世帯ごとの点数(指数)によって機械的に行われる。フルタイムの共働きである以外に加点要素のないわが家が、この激戦区で認可に入ることは超困難に思われた。とはいえ、圏内の保育園(以下、園)はすべて見ておかなければ悔いが残る。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら