日本発の仮想通貨「カルダノエイダ」の光と影

開発資金調達のICOをめぐり、くすぶる批判

「マルチ・レベル・マーケティング(マルチ商法と同義)の仕組みはなかった。セールスネットワークは存在したし、そこからコミッションを得た人たちはいる。だがそれはモルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスなど、どこの金融サービスにもあるものだ」とホスキンソン氏は反論する。

ただしホスキンソン氏への取材後、以下のような代理店登録に関する説明動画の存在を確認できた。

アテイン社が制作したとみられる代理店登録の解説動画には、縦に連なる代理店網と報酬体系が明示されている(記者撮影)

アテイン社を名乗る男性が解説するこの動画では、1次代理店の傘下に2次代理店、3次代理店と縦につらなる代理店網の図が示される。購入者を直接勧誘した代理店には10%の報酬が、その上に位置する代理店は5%の報酬が得られることが明示されている。

国民生活センターのホームページでは、「商品・サービスを契約して、次は自分が買い手を探し、買い手が増えるごとにマージンが入る取引形態」をマルチ取引として定義している。つまりエイダの販売をマルチ商法だと批判する声は、あながち間違いではない。

情報商材屋を代理店に活用

カルダノエイダをめぐるもう1つの批判が「情報弱者をあおった」というものだ。理由は、金儲けのノウハウを商品として販売する「情報商材屋」を代理店として活用してしまったことにある。

その筆頭ともいえる存在が「NOAH」(ノア)コインのプロモーターの男性だ(2018年10月18日配信記事「マライア・キャリーも現れたイベントの正体」)。エイダのICO時には、「半年で億万長者になれる」とうたって30万円で入会できる「塾」を展開。2次代理店からの報酬が得られるとして、エイダの購入だけでなく、代理店の登録を塾生に勧めていた。先述の説明動画はこの塾生向けに公開されていたものだ。塾ではネット通販を使った商品転売などの稼ぎ方を教えるだけでなく、マルチ商法ビジネスへの参加も募っていた。

カルダノプロジェクトにとって、この男性は数千に達した代理店の1社にすぎないとの認識だ。しかし男性が塾生に当てたメールには、塾生の販売したエイダは16億円にのぼったと記されていた。これが事実であればエイダの全購入額の2割超を占める計算だ。

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