新東名に現れた「自転車」で降りれるSAの正体 高速道路を自転車で走ることは可能なのか

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しまなみ海道にある「瀬戸内海横断自転車道」。サイクリング愛好家に人気のコースだ(写真:takuzero/PIXTA)

今年3月は、高速道路の新規開業、それも新東名高速道路や新名神高速道路といった注目の区間の延伸が目立ち、全国ニュースなどでも取り上げられたが、その陰で地味ながら、ちょっと不思議な施設が3月2日に静岡県を走る高速道路のサービスエリアにオープンした。

静岡SAにできた「自転車の駅」

新東名高速道路の静岡サービスエリア「NEOPASA(ネオパーサ)静岡」上り線に併設されて開業した「自転車の駅」である。「えっ、高速道路を自転車で走れたっけ?」と、高速道路ファンであるとともに大の自転車好きの私にとっても思わず目がくぎ付けになるようなニュースである。

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これは、サービスエリアまで車に自転車を積んでやってきて、そこで自転車に乗り換えて周辺のサイクリングを楽しんでもらおうという目的で、「自転車の町」を標榜する静岡市の「しずおかサイクルシティ」の取り組みの一環として、ネオパーサ静岡に設けられたものである。

具体的には一般道からアクセスできる側に5台分の駐車場と、工具や空気入れの貸し出しサービスのあるステーションを併設したものである。SAに併設したことで、レストランやコインシャワーが利用できるのも大きな魅力である。ただし、一般道側にあるので高速道路を走行してネオパーサにたどり着いた利用者は、いったんスマートICから一般道に降りて利用することになる。

現在、全国のかなりの自治体で、市内の移動のための交通手段として自転車をきちんと位置づけ、利用しやすい環境整備に力を入れ始めているが、静岡市も「世界水準の自転車都市」を目指すために数々の施策に取り組んでいる。「自転車の駅」の整備もその一環で、すでに市内30カ所以上に設置が進んでいるが、高速道路のサービスエリアへの併設はもちろん初めてである。

設置から20日ほどして利用状況を聞いてみたが、まだ認知が進んでいないことや本格的な野外スポーツのシーズンはこれからということもあってか、今のところほとんど利用はないということであった。

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