心の脳科学 「わたし」は脳から生まれる 坂井克之著

「わたしは何者か」という問いを突き詰めていくと、それは哲学に通じてしまう。人間の意識は、「現象」であり「物質」ではない。つまり、冒頭の問いは科学では扱えないものであった。
しかし、脳科学の世界は、それまで心とか精神という名で語られてきた現象が、脳という物質に還元され、そのメカニズムが着々と解き明かされつつあるという。МRIなどの脳画像研究では、なんらかの人の思考や感情が、脳領域のどこで行われているかが簡単に分かってしまうのだ。
本書は、脳科学の最先端とその可能性を認知神経科学者が考察したもの。併せて、すべての思考を脳という物質に還元してしまうことの倫理的な危うさにも言及している。
中公新書 945円
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