東芝が中国サッカーを支援する理由 「B2B」で巻き返すニッポンブランド

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B2CブランディングとB2Bブランディングの違い

とはいっても、以下のようなB2Bビジネスの特質は理解しておく必要があります。

1) 顧客の違い

意思決定者は専門職であり、しかも一人ではありません。現場で製品を使用する人たちは使い勝手を優先し、管理するマネージャーは耐久性やメンテナンスの容易さを重視し、経理担当者は総コスト抑制にしか関心がないなど、異なる判断基準を持つレイヤーにより、重層的な意思決定がなされます。

2) 販売プロセスの違い

B2Bビジネスは大規模な取引が多く、製品仕様や取引条件はクライアントのニーズに合わせてカスタマイズされます。また、取引は長年継続されることが多く、実績や信頼関係が重要になります。販売チャネルは、メーカーのセールスが直接売るケースと、ディストリビューターなどの中間流通を通すケースがあります。

3) 販売後サービスの違い

B2Bの製品やサービスの多くは売り切り型ではなく、導入後の保守・点検・修理、アップデート、トレーニング、コンサルティングなどのテクニカルサポートが大きなビジネスになります。

このような違いはありますが、B2Cビジネスと同様に、顧客側からの「pull」を喚起できればより売りやすくなるわけで、そのカギを握るのがブランド力であるということです。

サッカー支援を通してブランドを創る

ワールドカップ一次予選であえなく敗退した中国代表は国民を大きく失望させましたが、中国のサッカー人気は健在です。日本のJリーグに相当する中国スーパーリーグは2004年にスタートして、現在16チームが参加、Jリーグ草創期と同じく経済力に物を言わせて世界の著名選手をかき集め(ちなみに、外国人枠は1チームあたり7名)、これまでにガスコイン、アネルカ、ドログバ、グティなどの大物が中国でプレーしています。

2012-13年の2シーズン、「杭州緑城」クラブの指揮を執ったのは岡田武史監督です。結果は残念ながら下位に低迷しましたが、中国のメディアもサポーターも岡田監督を高く評価しています。このあたり、日本代表がベルギー代表を破れば「アジアの誇り」「中国の良きお手本」とほめたたえ、マンチェスターユナイテッドで活躍する香川真司選手を「アジア最高の選手」と称賛するなど、「サッカーのことになると、とたんに謙虚になる」中国人の面白い特質が見えます。

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