またもや米国で大量のカード情報が流出 世界のカード犯罪の47%が米国で発生するワケ
ターゲットから連絡があり、ボブは
脆弱なセキュリティ
「ハッカーは金の集まる場所を攻撃する」--かつてFBIとも協力してハッカー退治をしたこともあるセキュリティ専門家のスティーブ(仮名)に話を聞くことができた。「小売店には弱点がある。店舗のPOS端末を通じて得られる支払い情報が、店頭と銀行や信販会社の間で頻繁に遣り取りされるため、そこが狙われる。しかもPOSシステムからの情報を、暗号化して送っている企業は少ない。素のまま、名前やカード番号等を遣り取りする場合がほとんどだ。今回、ハッカーはターゲットののPOS周辺のネットワークに侵入して個人情報を盗んだ可能性が高い」。
米国では2007年に洋服等のディスカウンター、TJマックスで9000万ものビサとマスターカードの顧客データが盗まれる事件が起きた。1000万単位で顧客の情報が漏れる事件は頻繁に起こっており、今回のターゲットの事件にも「またか」という感想を持つ人が多いようだ。
「世界のクレジットカード被害の47%以上がアメリカで起こっている。頻発する一つの理由は、1960年代にできた磁気カードを持つ旧式のカードを使っているからだ」(セキュリティ専門家のラリー氏)。
スマートチップを2002年に取り入れていった欧州では、クレジットカード詐欺は今では年々減っている。なぜ、米国でスマートチップへの移行が進まないのかというと、ATMなど全てのシステムを変えるのに、多額の費用がかかるからだといわれている。
ターゲットは顧客に対し、利用状況を頻繁にチェックするよう警戒を呼びかけているが、同社の株価はこの事件の影響からか、11月中旬には67ドル近かった株価は12月中旬には62ドルまで下がっている。原因を究明し、安全対策をしっかり打つことで、早く信頼を取り戻すしかないだろう。
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