「水を大量に飲むとやせる」という説の大誤解 食べすぎ防止にならず、脂肪も燃やせない

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同様に、唾液に含まれるホルモンにも脂肪燃焼効果があります。成長ホルモンは脂肪燃焼の促進、筋肉や骨の強化、代謝コントロール効果など、ダイエットには見逃せない力を秘めており、このホルモンが成長ホルモンに似た働きをしてくれるのです。しかし年齢とともに成長ホルモンの分泌は減っていきますし、咀嚼しないとヒスタミンも分泌されないので、大人になるほど唾液分泌量の重要さが増すと言っても過言ではありません。

唾液は通常1日に1~1.5リットルも分泌されますが、咀嚼回数が減ればそのぶん唾液の分泌量は減少します。食事のときに飲みものがないと喉を通りにくいという方は、唾液の分泌量減少を疑ってみましょう。

大量に水分をとるのをおすすめしないのには、さらなる理由があります。それは、消化に負担をかけることになるからです。

唾液にはアミラーゼという消化を助ける酵素が含まれています。アミラーゼはデンプンを消化しやすいマルトースという形に分解するのが仕事です。

しかしこの消化酵素は、噛まなければ当然分泌されないので、消化に負担がかかります。しかも食事中や食事前に水分をたくさんとると胃液などの消化酵素が薄まります。これが胃腸での消化に負担をかけて、ためこみ体質の要因となるのです。さらに体液も薄まり、体内のミネラルバランスが悪くなったり、低ナトリウム血症や水毒症でめまいや貧血を起こしたりするおそれまであります。

せっかくたくさん飲んでも徒労に終わることも

そもそも水分摂取の方法は飲みものを飲むことだけではありません。水分は大きく「飲料」「食事」そしてエネルギー代謝で生じる「代謝水」の3つから摂取しています。

食事での水分摂取に着目すると、150グラムのごはんからはおよそ90ミリリットル、みそ汁1杯からはおよそ200ミリリットル弱の水分がとれています。つまり1食のごはんとみそ汁だけで約300ミリリットルも水分がとれているのです。

さらに代謝水は1日300ミリリットルほどあり、多くの人が水やお茶やコーヒーからおよそ1.2リットル摂取できている状態。だから普通に生活するだけですでに約2.5リットルもの水分がとれているのです。

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もちろん飲みものがだめというわけではありませんが、歯や唾液のパワーを有効活用しながら効率よく、体をこわさないダイエットをしてほしいというのが私の思いです。

そのためにも水分をとることに必死になるよりも、咀嚼力を意識するほうがダイエットには効くのです。理想はひと口20~30回を目安に噛むこと。10回以下では唾液があまり分泌されませんし、30回以上を目標にすると噛むこと必死になってしまい食事の楽しさを味わえなくなるからです。

そこで、料理のときに少し素材を大きくカットする、硬めにゆでる、少し硬い食材を加える、食感が異なるものを組み合わせるなど小さな工夫をすると噛み応えがアップして、無理なく咀嚼回数を増やせるでしょう。

三城 円 パーソナル管理栄養士

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さんじょう まどか / Madoka Sanjo

筑波大学大学院修士課程終了(体育学)。日本パーソナル管理栄養士協会代表理事。食の相談窓口 San-CuBic(サン・キュービック)代表。オリンピック代表選手や大学駅伝部、タレントをはじめ、ダイエットしたい人、アスリート、摂食障害で悩む人々、延べ1万人以上の食事サポートを実施。「食べることへの罪悪感」「食べたくてたまらない気持ち」「食べられないつらさ」に寄り添いながら、食事の大切さと内臓力を高める食べ方を伝えている。

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