「水を大量に飲むとやせる」という説の大誤解 食べすぎ防止にならず、脂肪も燃やせない
「たくさん水を飲むほどやせる」
「水を飲めば代謝が上がってきれいになる」
世の中には、こう考えている人が少なくありません。芸能人をまねて、毎日2リットル以上の水を飲むのを日課にしている人も多いようです。しかし「水を飲むと、やせたり代謝が上がったりする」という話に残念ながら科学的根拠はありません。
拙著『1週間で体が変わる 食べながらやせるすごい方法』でも解説していますが、水を飲むと、やせたり代謝が上がったりするどころか、食前や食事中の水分摂取は、ダイエットには適しません。
咀嚼回数が減ると脂肪が燃えなくなる
食前や食事中に炭酸水を飲んで空腹を抑える、というダイエット法がありました。でも食前や食事中に大量に水分をとることを私はおすすめしていません。
飲みものを大量に飲みながら食事をすると、そのぶん咀嚼回数が減少します。これがダイエットを阻害する要因だからです。
まず、食前・食事中に水分を過剰に摂取すると、食べすぎ防止機能が働いてくれません。
咀嚼すると歯の根の部分にある「歯根膜」が刺激され、頬の筋肉も動きます。この2つの動きが信号で送られて脳を刺激し、ヒスタミンという物質が分泌されるのです。このヒスタミンは、満腹中枢を刺激して食欲を抑制する指令を出す役割があります。
糖質摂取によって血糖値が上がったときにも食欲抑制の指令は出されるのですが、咀嚼刺激のほうが早く脳に届くので、咀嚼回数を意識するほうが食べすぎを防止するには効果的です。
次に、過剰な水分摂取をすると、本来燃えるはずの脂肪も燃やせなくなります。
先述のヒスタミンは、交感神経を介して内臓脂肪を刺激・分解します。簡単に言えば「内臓脂肪を減少させる働きがある」ということです。
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