マクドナルド新社長、「カサノバ超え」の試練 後任はJ&J日本法人トップを務めた日色氏

拡大
縮小
カサノバ社長時代、マクドナルドの既存店売上高は38カ月連続で前年比プラスを続けた。写真は池袋西口店、2016年6月撮影(撮影:今井康一)

日本マクドナルドホールディングスは2月21日、事業会社である日本マクドナルドの社長交代を発表した。

3月末から新たな社長となるのは、ジョンソン・エンド・ジョンソンの日本法人で社長を務めた日色保氏(53)。2018年9月に日本マクドナルドに入社し、上席執行役員となっていた。サラ・カサノバ現社長は空席になっている日本マクドナルドの会長職に就き、ホールディングスの社長兼CEO職も継続する。

「マクドナルドは回復のステージから、持続的な成長のフェーズに入った。彼こそが、次のリーダーにふさわしいと確信している」。21日に開かれた会見の席で、カサノバ社長は日色氏について力強くそう語った。

既存店売上高は38カ月連続で前年超え

日本マクドナルドは、2014年夏以降に発生した使用期限切れ鶏肉の使用や異物混入問題の影響で、深刻な客離れに直面。だが、2013年に就任したカサノバ社長が軸となって経営を立て直すと、2015年12月から2019年1月まで38カ月連続で既存店売上高が前年同月比超えを継続。2018年12月期には1店当たりの平均月商は約1500万円と、上場来最高を更新した。

V字回復を果たした同社だが、今後一段成長を図るために「経営チームを強化する」(カサノバ社長)必要がある。そのために、「社内外から、新社長として最適な人物を探した」(同)という。

会見でのカサノバ社長や日色氏の言葉をつぶさに追っていくと、日色氏に新社長として2つの役割が期待されていることが浮かび上がる。

1つ目は、現場との密なコミュニケーションだ。店舗では15万人のスタッフが働き、1年間に14億人の客が来店する。カサノバ社長が「マクドナルドはピープルビジネス」と表現するように、現場では「人と人との交流」がいや応なしに求められる。

次ページカサノバ氏は店舗の実態把握に努めた
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT