歯止めがきかない?中国の不動産投機 11月新築住宅価格、上昇幅は過去最大の9.9%
[北京 18日 ロイター] -11月の中国主要70都市の新築住宅価格は、前年同月比9.9%上昇した。上昇幅は集計開始以来最大。中国国家統計局が18日発表したデータに基づき、ロイターが算出した。10月は9.6%上昇だった。
中国の住宅価格は、政府の不動産価格抑制策にもかかわらず、依然として過去最高水準にある。不動産は最も有望な投資対象の1つとの見方が根強いことに加え、地方政府が歳入確保のために土地を売却していることが主な要因だ。
交通銀行インターナショナル(香港)の不動産アナリスト、アルフレッド・ラウ氏は「非常に憂慮すべき数字だが、目新しいことではない。これまでにも、比較対象となる前年の水準が高いといった理由で、伸びが大きくなることがあった」と指摘。「価格上昇の勢いは今後、緩やかになると予想している。不動産価格が大幅に上昇するならば、引き締め措置が打ち出されるだろう」との見方を示している。
前月比では3カ月連続で伸び鈍化
前月比でみると、11月の上昇幅は0.5%で、10月の0.6%から縮小した。
前月比では3カ月連続で伸びが鈍化しており、政府による住宅市場引き締め策の効果が出始めていることを示唆する結果となった。
国家統計局の担当者は声明で、前月比の伸びが減速したことについて、一部の地方政府が最近実施した抑制策の結果、と指摘した。
国家統計局によると、11月の北京市の新築住宅価格は前年比16.3%上昇、10月は同16.4%の上昇だった。上海市は前年比18.2%上昇、10月は同17.8%上昇だった。
南部都市の広州と深センの住宅価格はおよそ21%上昇した。
この4都市の住宅価格は集計開始以来で最大の上昇となった。
ロイターは2011年1月、国家統計局が全国規模のデータ公表をやめ、主要70都市それぞれの住宅価格変動のみを公表するようになったため、独自にデータの算出を開始した。
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