日本郵船が社長交代、新社長は工藤泰三副社長、宮原社長は会長、草刈会長は相談役に

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日本郵船が社長交代、新社長は工藤泰三副社長、宮原社長は会長、草刈会長は相談役に

日本郵船は25日、2009年4月1日付で工藤泰三副社長が社長に昇格する首脳人事を発表した。宮原耕治社長は会長に、草刈隆郎会長は相談役に就任する。代表取締役は宮原新会長と工藤新社長の2人になる。これまでは草刈会長と宮原社長の2人に代表権があった。相談役になる草刈会長は代表権は外れるが取締役にとどまる。同日行われた会見で
宮原社長は「大変な難局なので、『短期間で結構だから』と僕のほうからお願いした」と説明した。
 
 宮原社長は交代理由について「自分の就任時(04年)から、後継者は明るさと決断力のある工藤副社長に決めていた。他社は知らないが、日本郵船は後継者が育っていて、いつでも交代できる状態にあった。09年3月末で、私が社長に就任して丸5年になるので、ちょうどいいタイミングだと思っている。09、10年は大変な年になる。4、5年先までの構造改革(のシナリオ)までは私が決めた。実行は、私よりも7歳若い工藤君のバイタリティーやパワー、統率力で、ということ。」と述べた。

「構造改革」とは、海運にとどまらない総合物流戦略を推進することを指す。工藤次期社長は「海運だけでの差別化の領域は狭い。顧客ニーズに対応し、パートナーとして認めていただけることが大事」と抱負を語る。

宮原社長から工藤副社長に打診があったのは12月12日金曜日。工藤副社長は即答せずに「考えさせて欲しい」といったん持ち帰った。14日日曜日には役員合宿があり、その席で宮原社長は「海運市況の回復に4、5年はかかると覚悟しないといけない」と役員に檄を飛ばした。工藤副社長が宮原社長に、社長就任の意思を伝えたのは週明け15日月曜日のことだった、という。

宮原時代の05年3月期~09年3月期は、売上高規模で海運2位の商船三井に営業利益水準で後塵を拝し続けた。工藤次期社長は「利益は面積論。4~5年ではなく、10年、20年の利益総額という面積を最大限にすることが大事。そのためには、顧客との長期的な信頼関係を構築・強化していくことが大事」と解説する。海運市況回復に4、5年かかるかも知れない、という宮原社長の見方に対しては、「分かりません。が、1、2年はひどい状態が続くでしょう」の見通しを示した。
(山田 雄一郎)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2008.03  2,584,626 202,079 198,480 114,139
連本2009.03予 2,750,000 210,000 210,000 140,000
連本2010.03予 2,300,000 160,000 160,000 115,000
連中2008.09  1,419,874 134,829 139,833 91,274
連中2009.09予 1,100,000 70,000 75,000 45,000
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2008.03  92.9 24 
連本2009.03予 114.0 26 
連本2010.03予 93.7 24-26 
連中2008.09  74.3 13 
連中2009.09予 36.7 11-13 

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