「恋活アプリ」が世界中で増殖し続ける理由 最大手・マッチグループの幹部を直撃した

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――一方で近年は、フェイスブックの情報流出事件などを受け、人々のネットサービスへの関わり方が変わってきた面もあります。しかも恋人探しとなると、相手に求める条件や自らの職業や年収、家族についてなど、非常にプライベートな情報をプラットフォームに預けなければならない。そのことへの抵抗感が増し、ユーザーが離れる懸念はありませんか。

確かに、かなりプライベートな情報を預かっているということは自覚している。さっきも触れたとおり、ユーザーのプライバシーを守るための取り組みは、グループ内すべてのサービスで妥協を許さず、さらに高いレベルを目指している。

もう1つ、うちで明確な方針として持っているのは、ユーザーのデータを絶対に外販しないということ。私たちのビジネスは会員費、つまり利用者への課金がベースになっている。一方フェイスブックをはじめとするSNSは、利用は無料である代わりに、集めたユーザーデータをあらゆる形で広告主に売ることでビジネスにしている。根本的に稼ぎ方が違うので、その点は強調したい。

「ワクワクする側面をもっと伝えたい」

――セキュリティに力を入れていることと、データを外販していないことをしっかり認知してもらえれば、ビジネスはまだまだ拡大できると?

アメリカマッチグループのアレクサンドル・リュボー氏は「日本ではオンラインの出会いというものにまだ抵抗感がある」と主張する(撮影:梅谷秀司)

そう信じている。うちがデータを外に出していないことはユーザーも知っていると思うが、他社のこととはいえ、ネットサービスで個人情報の漏洩問題が起きているのは事実。今日のようなインタビューを通じて、うちとしてのセキュリティに対する考え方の情報発信を強めていきたい。だがそれ以上に、ユーザー個人や経済へのプラス効果といった、マッチングサービスのワクワクする側面をもっと伝えていきたい。

欧米に比べると、日本ではオンラインの出会いというものにまだ抵抗感がある。裏を返せばこれは伸びしろ。ペアーズはこの領域の牽引役になれるはずだ。マッチグループの本部からも、日本に対しては技術面、資金面など、できるサポートはすべてする。将来的には、日本も欧米のような巨大市場になる可能性を秘めていると思っているので。

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