まずは、米国の株式市場に注目しなさい 松本大が団塊ジュニアに勧める、とっておきの投資術(1)

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金融業界でのキャリアのスタートを、こうした世界最先端の投資ノウハウを持つ金融機関で始めることができたのは、僕にとって本当にラッキーなことでした。

今は、日本もかなり米国に追いついてきたので、当時ほど金融ノウハウの差はありませんが、今でも大きく異なるといえる点があります。それは、株価を重視するカルチャーがあることと、既存株主の利益を最大限に守るという意識が徹底していることです。

たとえば米国の株式市場では、公募増資を行った直後に株価が25%も下落するようなことは、なかなか起こらないと思います。公募増資後の株式に投資する人からすれば、安く買えるメリットがあるのかも知れませんが、既存の株主は大きな損失を被る可能性があります。このように、増資によって株数が増えた分、株価が下落するという「株価の希薄化」が頻繁に起こると、その株式市場は、投資家からの信頼を失うことになりかねません。

長期にわたって株価が上昇し続ける国

米国株式市場の何がすごいのか。それは、長期的にみて株価が上昇し続けていることに尽きます。

ニューヨークに証券取引所が開設されたのは1817年のこと。以来、現在に至るまで、世界大恐慌や二度にわたって引き起こされた世界大戦、オイルショック、そして近年では2001年9月11日の同時多発テロなど、さまざまな出来事があり、その度に株価は大きく下落しました。しかし、大暴落後も徐々に株価は回復し、いつの間にか高値を更新し続けてきました。そして2013年11月21日には、1万6000ドル台をつけたのです。

これに対して日本の株価はどうでしょうか。日本の株式市場は実質的に戦後からスタートしました。日経平均株価は、1989年12月29日に、終値ベースで3万8915円という過去最高値を付けましたが、そこから2009年10月28日につけた6994円まで、20年間にわたって下げ続けました。

確かに今、日本の株式市場はアベノミクスの効果もあって、上昇ムードが強まっています。恐らく日経平均株価は1万6000円を超えて、上昇していくでしょう。
しかし、先々にはいくつかの関門が控えています。今回の株価上昇が「本物」であるためには、これらの関門を抜けて、株価が上昇を続けなければなりません。

次ページ日本の株式が今後を上昇を続けるためには?
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