「息子の家庭内暴力」に直面した親がすべきこと

「ご近所さんの目」が最優先ではない

ほとんどの場合、子どもが「不満」に思っているのは、自分自身の現状についてです。たとえば、通信制高校になら行けるだろうと思っていたのに、そうではなかった自分についてです。

高岡健(たかおか けん)/1953年生まれ。精神科医。岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター・児童精神科部長。著書に『不登校・ひきこもりを生きる』(青灯社)、『引きこもりを恐れず』(ウェイツ)など多数。

しかし、通信制高校になら行けるだろうという考えは、はたして自発的な考えだったのでしょうか。自発的に見えても、周囲の大人たちの考えに合わせていただけではないのでしょうか。

そこをまず大人たちが考え直すのが、考えの練り直しにほかなりません。

具体的に例を挙げてみましょう。通信制高校に行くことが決まったとき、あなたは喜んで励ましていなかったでしょうか。

もしそうなら、あなたは何を喜んで、何のために励ましていたのでしょうか。そう自省してみると、世間体(まさに「ご近所さんの眼」ですね)のために喜び、世間体のために励ましていたことに気づくことが、しばしばです。

子どものために大人がしてあげられること

子どもも、大人の気持ちを先まわりして取りいれ、自分の行動を世間体に合わせようとしている場合が、少なくありません。

そういう自省だけが、子どもの自分自身に対する不満を緩和し、暴力を緩和させるのです。その点に気づけば、あなたがすべきことは一つしかありません。それは、何もしないことです。

壊された物がガラス製品などのケガをしやすい物であれば、最低限の片付けが必要でしょうが、それ以外は、壊れた壁や家具を、目に見える形で残しておくほうがいいのです。

残しておけば、あなたの自省もまた持続しますが、片付けてしまうと、自省も忘れ去られ、ふり出しに戻ってしまうでしょうから。

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