入居前に確認、「マイホームの欠陥」の見つけ方 現場監督や職人の技量や意識に左右される
購入者が内覧会で「物件の仕上がりを確認しました」という書類に記名・押印すると、それで納得したということを意味する。もちろん、何か不都合があればアフターメンテナンスの期間に無償で補修してもらったり、普通であれば気がつかない欠陥(「隠れた瑕疵(かし)」)なら法的な請求をしたりもできるが、時間がかかったり、責任の所在が曖昧で、もめることもある。
新築の場合は通常、「アフターメンテナンス」や「アフターサービス」がある。しかし、入居後に大掛かりな補修や改修工事を行うのは、日常生活に支障が出たり、時間的な制約が生じたりする。また売り主側も、引き渡し後は対応が遅くなりがちな実情もある。
さくら事務所ではホームインスペクター(住宅診断士)が、多いときは月に数百件の内覧会に立ち会い同行するが、その経験からいうと内覧会時の品質・仕上がりには大きくバラつきがあるのが現状だ。このバラつきは、売り主や施工会社の大手・中小など、会社の規模には関係がない。
職人の技量や意識に左右される
自動車やPCなどの工業製品と違い、1つ1つが手づくりである住宅は、現場監督や職人の技量、意識に左右される部分がことのほか大きい。同じ分譲地、同じマンションであっても、1号棟はきちんと施工されているのに5号棟は精度が悪い、といったケースも。これは住宅がつくられる背景を考えればわかる。
実際に工事を行うのは現場の職人であり、彼らは大小さまざまな建設会社の協力業者として工事を担当している。さらに、建設現場を統括する現場所長の考え方、工事期間や予算の問題など、建物の出来を左右する要素は無数にある。単純に、会社単位では判断できない。
内覧会に際してはまず、売り主の不動産会社から内覧会の日程についてお知らせが来る。当日、現地へ出かけ受付を済ませると、工事を行った工事担当者が住戸へ案内してくれ、簡単に説明してくれる。その後、購入者のみなさんは自分たちで住戸内をチェックし、気づいた点はあらかじめ渡された用紙に記入。終わったら工事担当者と指摘箇所について補修方法などを確認する。
第三者に同行を依頼する場合、室内のチェックは分担して行うほうが合理的だ。購入者は内装の仕上げなどを中心にチェックし、プロには床下、天井裏など見えにくいところ、わかりにくいところを見てもらうといい。表面的なキズや汚れがあっても、補修が容易なものや住宅の機能には直接関係しないものがほとんど。機能面の不具合とは分けて考えよう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら