自宅で介護を希望する人は7割超という現実 在宅介護を希望するなら事前準備が大切だ

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「友人や近所の人、ママ友、職場の同僚などで、すでに介護をしている人から『この人はお薦めできますよ』と、ケアマネジャーを紹介してもらう方法があります。口コミなどの情報も大切で、探す手がかりの1つになります」と田中さん。

最近は介護事業者などの情報をホームページで検索できるように、公開している自治体があります。例えば、埼玉県川越市では、2018年4月から「川越市在宅医療・介護事業者情報検索システム」の運用が始まりました。市内の在宅医療を提供する医療機関や介護サービス事業所などを検索でき、このシステムを利用してケアマネジャーを探すこともできます。

<田中さんに聞いたケアマネジャーを選ぶときのポイント>
・本人や家族の訴えを真剣に聞いてくれる人か。
・ 質問したことに、丁寧に答えているか。
・ 役所への手続きなどをスムーズに進めてくれているか。
・ 介護サービス事業所を決める際に、複数の選択肢を提示しているか。
(自分の所属法人のサービスを過度に勧めようとしないか)
・ 順を追ってわかりやすく説明してくれるか。
・ 依頼したことに、期限を決めて対応してくれるか。
・ 連絡が取りやすいか。
・ 事務所は自宅から近い距離にあるか。

地域包括支援センターを活用する

ケアマネジャーを探すには、介護を受ける人が住む地域の「地域包括支援センター」に行って相談する方法もあります。地域包括支援センターとは、高齢者が地域に住みながら健康的で安定した生活ができるように、さまざまなサポートを行う施設。おもに市区町村が委託・運営していて、おおむね中学校区に1カ所あります。地域包括支援センターに行くと、その地域の居宅介護支援事業所のリストをもらうことができます。

地域包括支援センターには社会福祉士、保健師、主任ケアマネジャーなどの専門家がいて、住民から介護や福祉、医療などについての相談を受け、解決の手助けをしています。「介護が必要になったけれど、何から手を付けていいかわからない」というようなときにも、相談するとよいでしょう。地域包括支援センターがどこにあるのか知りたいときには、市役所などの介護担当窓口に電話すれば教えてもらえます。

入院中に介護が必要になったら医療福祉相談室の「医療ソーシャルワーカー」に相談する方法があります。

「ケガや病気で入院した場合、退院後は自宅で介護保険の介護サービスを利用したいと考える人が多いです。退院後すぐに介護保険を利用するためには、入院中に市区町村から要介護認定を受けなければなりません。入院中はケアマネジャーの代わりに、病院内にある医療福祉相談室(病院によって名称はさまざま)の『医療ソーシャルワーカー』がサポートしてくれます」と田中さん。

医療ソーシャルワーカーは要介護認定の申請方法を説明したり、必要書類である「主治医意見書」を医師に依頼するなど、要介護認定を受けるまでの過程をサポート。ケアマネジャー探しの手助けなども行います。

ケアマネジャーが決まるまでは、医療ソーシャルワーカーが自宅での生活パターンを聞き取って、車いすは必要かどうか、廊下に手すりを設置するかどうか、車いすを使うようになったら玄関のスロープはどうするか、などを確認。在宅介護について患者や家族と一緒に考えていきます。

規模の小さい病院などは医療福祉相談室が設置されていないこともありますが、その際は介護を受ける人の自宅がある地域の地域包括支援センターに相談しましょう。

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