子供を「お金で苦労しない人」に育てる方法

普通の勉強よりもこっちの方がずっと大切だ

子供を「お金で苦労しない人」にするには、どんな教育をすればいいのだろうか(Fast&Slow/PIXTA)

最近、「子ども向けの金融教育が必要だ」という声をよく聞く。金融教育に関する書籍も出始め、実際、筆者にも講演の依頼が増えている。これ自体はとても好ましい傾向ではあるが、残念ながら「我が子には金融教育なんて必要ない。危ないから余計なことを教えないでほしい」という声も依然として多いのが実際のところだ。

その背景には、ほとんどの人が「金融教育=投資の仕方」という思い込みがあるからではないだろうか。しかし、金融教育が指すものはもっと広範であり、資産運用はその中の一部でしかない。ここでは、金融教育が、子どもたちが大人になって、いかにお金で苦しまないための武器になるかをお伝えしたいと思う。

カード作れず、住宅ローンも組めず「投資以前の話」

子ども自身がお金の使い道について自分の頭で考えなくてはいけない場面が、成長の過程で増えてくる。いちばん初めに直面する最も大きな出費は、学費だろう。日本学生支援機構によると、学生数に対する奨学金貸与の割合は、2016(平成28)年度で2.7人に1人となっている。10年前の平成18年度では3.7人に1人だったことを考えると、この10年間で奨学金を利用する学生が増えていることがわかる。

奨学金の利用自体は悪いことではないが、事前に中身を吟味せずに利用すると、卒業後、返済に窮する可能性があるのだ。同機構の『平成30年度 奨学金ガイド』には、奨学金の返還は貸与が終了した翌月から数えて7カ月目から始まると記載されている。

つまり、卒業してから半年後から返済は始まり、毎月順調に返還できればいいが、延滞すると年率5%の延滞金が賦課される。延滞期間が3カ月を超えると債権は債権回収会社に移り、個人信用情報機関に登録される。そうすると、クレジットカードの審査が通らなかったり、利用停止される可能性がある。当然ながら、住宅ローンも組めなくなる可能性もある。

次ページ督促が来て初めて「奨学金に返済義務がある」と知る
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