子供を「お金で苦労しない人」に育てる方法 普通の勉強よりもこっちの方がずっと大切だ

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『平成28年度奨学金の返還者に関する属性調査結果』によれば、奨学金は返還義務があることを「申し込み前」に知っていた人は、無延滞者に限ると 89.1%と9割近いのに対し、延滞者では 50.5%と約半数にとどまっている。延滞者の認知状況をさらに細かく見ていくと、貸与終了後に返還義務を知った人の合計は20.7%で、その半数以上にあたる11.5%は、「延滞督促を受けてから」知ったと回答している。

日頃から「奨学金破綻」などのニュースが流れたときに、これがどういう問題かを子どもと話し合ったり、奨学金に限らず「借金やローンとは何か」を教えておけば、このような事態にはならないだろう。例えば買い物の際に銀行や消費者金融の看板があれば、こうした企業がどのような業務をしているかを教えてあげるだけでも十分だ。興味があればもう一歩踏み込んで情報を与えれば、かなり理解は深まるはずだ。

スマホ所持の低年齢化で待ち受ける「特殊詐欺」

筆者の講演には親子での参加者が多いが、休憩時間や講演後にアンケートを取るようにしている。返ってきたアンケート結果を見て驚くのは、割と小さな子どもでも自分のスマホを持っていることが多いことだ。何歳からスマホを持たせるべきかという議論はよくなされるが、スマホを持たせることで懸念されるリスクの1つに、「詐欺」がある。

架空請求詐欺やオレオレ詐欺などを「特殊詐欺」と総称するが、警察庁が発表した『平成30年上半期における特殊詐欺認知・検挙状況等について』によれば、平成22年から29年まで、7年連続で特殊詐欺の認知件数は増加している。平成29年の1年間で特殊詐欺の認知件数は1万8212件に上り、被害総額は394億7000万円となっている。

普通なら引っかからないような詐欺も多く、警察に届け出るのも恥ずかしいという理由で泣き寝入りをしている人も相当数いると思われる。それらを含めれば、年間被害総額はおそらく400億円を超える。

例えば、2018年10月に消費者庁が注意を呼びかけた詐欺内容は、「スマホをタップするだけで月収200万円」という虚偽広告だった。この広告に引っかかった人は、多額の費用を支払わされたのだ。

統計局が発表した『家計調査(2017年)』によれば、夫婦共働き世帯の月収は、57万5585円となっている。両親が一生懸命働いても、1カ月で60万円に届かないのが現実だ。日頃から家庭でお金の話をしておけば、「スマホをタップするだけで200万円ももらえること」がありえない話かは、子どもでも理解できるだろう。

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