そのうえで、自分の人柄が伝わる内容になっているかどうかを再点検するといいだろう。大学時代に経験したことを、単に羅列しただけのエントリーシートでは人物像は見えてこない。自分がどんな考え方をする人間なのか、どんな価値観を持っているのか、大学時代に何を経験し、その経験を通してどう成長し、どんな能力を身に付けてきたのか……自分という人間の魅力が的確に伝わる内容になっているかどうかが重要だ。
自分のアピールポイントを訴求する際に、それを裏付ける経験談を紹介するのがエントリーシートの基本だ。しかし、アピールポイントと経験談にズレがあることが少なくない。自分の強みは「課題解決力」と記載しているのに、経験談から読み取れるのは、「継続力」や「粘り強さ」だったりするケースだ。これではまったく説得力がないばかりか、自己分析が不十分だと思われてしまう可能性もある。
今一度、自分がアピールしたいポイントと経験談に不一致がないか確認してほしい。また、あいまいな表現を多用していないかどうかも気にしたほうがいい。よくあるのが、「いろいろな」「さまざまな」「たくさんの」「一所懸命」といった抽象的な表現だ。
こういった表現は読み手によって受け取り方がまったく違ってくる。そこで意識したいのは、具体的な数字を用いて書くこと。種類、回数、人数など、数字を使って定量的に記述していくことで、読み手はより具体的にイメージできるようになるはずだ。
「盛った話」は、面接で深掘りされバレる
就活のエントリーシートでよく目にするのが、「サークルの副部長」や「バイトのサブリーダー」という経歴だ。もちろん、実態に即しているなら何も問題はないが、自分の経歴を盛るのが目的ならやめておいたほうがよさそうだ。
たとえエントリーシートは通過できても、面接では必ず見破られてしまう。なぜなら面接官は、エントリーシートに書かれた内容をもとに、「なぜ?」「どのように?」とどんどん掘り下げる質問をしてくる。役職名や経験した内容など、エントリーシートに記載したちょっとしたウソは、きっとどこかで行き詰まる可能性が高い。
また、「エントリーシートで紹介できる特別な経験がない」と心配する学生が少なくないが、成功談、華々しい経験にこだわる必要はまったくない。仕事は失敗や苦労、試行錯誤の連続だ。うまくいくケースはむしろまれだと言ってもいいくらいだろう。そうであるからこそ、成功談よりも、むしろ失敗談や挫折経験、それをどう乗り越えてどう成長したかを表現することで、自分という人間の魅力がアピールできるはずだ。
インターネット上や市販の就活対策本には、エントリーシートのサンプルがたくさん紹介されている。業界別、職種別をはじめ、文系学生対象、理系学生対象など、さまざまなパターンの見本があるはずだ。自分にぴったり当てはまるサンプルが見つかれば、ついついマネしたくなるのは仕方がないが、コピペはすぐにばれると覚悟すべきだろう。
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