離婚で大富豪になった「ベゾス元妻」の正体 約15兆円の資産の半分を手にするのか
ベゾス夫妻は世界で最もリッチな夫婦だった。離婚となれば過去に例のないレベルの資産をどうするかが問題となる。もちろん、これまでにもとんでもない額の金が支払われた離婚劇はあった。たとえばカジノ経営者のスティーブ・ウィンと妻エレーンのケースがそうだ。テクノロジー業界の起業家が離婚手続きで裁判所を出入りする例も珍しくない。その最たるものが、4回も結婚と離婚を繰り返しているラリー・エリソン(オラクル共同創業者)だろう。
だがベゾス夫妻のように、推定1370億ドル(約15兆円)もの資産をもつ夫婦が別れたケースはこれまでにない。
単純に財産を2等分するとは考えがたい
ベゾス夫妻の財産分与の取り決めについてはほとんど知られていない。離婚は州法にのっとって行われるが、夫妻の本宅とアマゾンの本社のあるワシントン州には婚姻中に夫婦が手にしたいかなる所得や資産も離婚時には等分するという制度がある。
だが、ベゾス夫妻がすぐわかるような方法でこのガイドラインに従う可能性は低いと考える弁護士もいる。資産を2等分すれば、ジェフのアマゾン株の持ち分は16.1%になってしまう。
「私の想像では、どちらがいくらの資産を手にするかをめぐって争ったりはしなかっただろうと思う」と言うのは、シュルト・ロス&ゼイベル法律事務所の創業パートナーで有名人の離婚を数多く手がけてきたウィリアム・ゼイベルだ(ベゾス夫妻の離婚には関わっていない)。たぶん「(会社の)支配権をめぐる争いはあった」だろうと彼は言う。
ゼイベルはメディア王ルパート・マードックやジャック・ウェルチ元ゼネラル・エレクトリックCEOの離婚でそれぞれの妻の代理人を務めた。そんな彼の目には、ベゾス夫妻はほぼ間違いなく、ジェフが必要とするかもしれない会社への影響力は残しつつアマゾン株の評価額を分け合う方策について交渉していたはずだという。合意の有効期間も交渉で決められるという。
(執筆:Jonah Engel Bromwich記者、Alexandra Alter記者、
翻訳:村井裕美)
© 2019 News Service
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