文藝春秋がノンフィクション作品に拘る真意

「冬の時代」だがやり方次第でまだまだ売れる

文藝春秋のノンフィクション編集局の飯窪成幸・常務取締役に、ノンフィクションをつくり続ける理由をお聞きしました(写真:news Hack by Yahoo!ニュース)  
世の中の真実を知る術の1つとして、ノンフィクションは読者の視野を広げる有意義な存在。そこで、優れたノンフィクション作品にスポットを当てようと、Yahoo!ニュースと本屋大賞の共催でスタートしたのが「ノンフィクション本大賞」です。記念すべき第1回の受賞作品は、4カ月に及ぶ暗闇の旅を描いた探検家・角幡唯介さんの『極夜行』(文藝春秋)が選ばれました。
しかし、ノンフィクションを取り巻く事情は、決して明るいだけではありません。それでも出版社がノンフィクションをつくり続ける理由とは何か? 発行元の文藝春秋を訪ね、ノンフィクション編集局の飯窪成幸・常務取締役に話を聞きました。

「ノンフィクション冬の時代」の実情

――まずは率直に、ノンフィクションを取り巻く現在の状況について教えてください。

本記事はnews HACK by Yahoo!ニュース(運営:ヤフー)の提供記事です

正直なところ、「厳しい」の一言に尽きます。ノンフィクションはフィクション以外のすべてのジャンルをあらわす言葉でもあるので、具体的な数字を出すのは難しいですが、「ノンフィクション冬の時代」であることは、実感としても間違いないと思います。

要因の1つとして、ノンフィクション作品を掲載する雑誌媒体が減っていることは大きいでしょう。ノンフィクションは、少なからず取材費がかかります。そのため書き手にとって、書き下ろしで出版するのはコストパフォーマンス面でつらい。まずは雑誌に連載して取材費や原稿料を確保し、その上で書籍化するのが理想的な形です。実際、ある時期まではそれでやっていた。

ところが、出版不況のなかでノンフィクションを掲載する雑誌が休刊などに追い込まれ、生き残った雑誌も取材の予算を削り出すという負のスパイラルに陥っています。発表媒体が少なくなりヒット作も生まれにくくなっています。

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