東京メトロ「地下駅」は大変貌の真っただ中だ 「大手町」駅は4路線で雰囲気が大きく違う

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ホームよりさらに印象的になったのは改札、通路階であり、木肌を連想させる黒い柱や壁面が白い床と天井の間に力強く連なっている。黒だから白や黄色の案内ボードがしっかり浮き立つ。そのモダンさは、直結するオフィスビルの洗練された雰囲気にも引けを取らない。

大手町駅千代田線ホームの壁面には自然な感じの木目調パネルが貼られた(撮影:杉山 慧)

そうした地下通路を上下しながら千代田線ホームへ。そちらは皇居に接するエリアのため豊かな樹木にちなむ、やさしい色合いの木目の壁面。柱や階段のフレーム、発車標はモダンな黒で対比を見せる。6000系引退とともに導入が開始されたホームドアは稼働を待つばかりで、添えられたラインカラーの緑も鮮やかだ。

千代田線については、隣の二重橋も一足先に木をアクセントにした駅に改装された。ちなみに同駅は2018年3月、副駅名として括弧書きで「丸の内」が添えられた。

丸ノ内線・大手町駅ホームはクラシックな空間

千代田線ホームから丸ノ内線へは、半蔵門線ホームを見てゆく。残る工程は駅名標や広告をはめ込むばかりとなった壁面は墨色の市松。シックではあるが、ホームの縁の紅白スレッドラインとは相いれない印象は仕方ない。

大手町駅丸ノ内線ホーム(撮影:杉山 慧)

そしてまるで別世界へ来たかと思う丸ノ内線ホームへ。そこは東京駅丸の内駅舎や三菱一号館、東京銀行協会等の名建築が多く保存活用されている地区として、壁面にレンガをふんだんに採用したクラシックな空間となった。

戦後建設の中では最も古い路線なので、ダクトを覆い隠す天井が低いのは否めず圧迫感はあるが、現代の地下鉄とは思えないほどレトロな雰囲気で、電球色LEDのダウンライトがレンガ壁面や赤銅色の丸柱に投影されている。長手方向を見やると古城の回廊を連想させる。ホームの照明が抑制されているので線路部分はさらに暗がりとなり、その分、対向ホームが舞台のように浮き立って見える。また、ホームに入ってくる02系電車の車内も、現代的な明るさが対照的に際立ってくるようだ。

とにもかくにも、東京メトロを代表する大手町駅がさまざまな表情を持つ駅に生まれ変わったことで、東京メトロ自体のイメージが変わったように思える。地下鉄の駅と言えば事務的で画一的、直結するデパートやオフィスビルに対して沈んだような空間だったが、東京メトロの展開はどこまで広げられてゆくのか、楽しみである。

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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