東京メトロ「地下駅」は大変貌の真っただ中だ 「大手町」駅は4路線で雰囲気が大きく違う

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『鉄道ジャーナル』2019年3月号(1月21日発売)。特集は「東京電車百景」(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

路線は、1960年代からの高度成長による国鉄中央・総武線の“通勤地獄”といわれたラッシュの緩和対策として建設された。中野・西船橋の両端で国鉄と直通運転を行うために初めて20m車両が導入された路線である。時代を反映し、それ以前の路線よりも経済性、ドライさを感じさせたものである。そして今、西船橋からは総武線に加えて東葉高速鉄道にも直結、千葉県広域から都心に直結する路線として首都圏の鉄道全体の中でも屈指の混雑路線となっている。その対策が焦眉の急である。

東西線飯田橋駅は、1990年代にホームの拡幅工事とともにタイル張り壁面から白い石材のパネル張りとなって刷新された。以前のタイル張りは開業当初に一般に多用されていたものだが、経年とともに目地もくすみ、薄暗い印象だった。それがつややかな石材パネルとなって見違えるようになり、20年を経過しても印象は変わらない。こうした改装はなんらかの改良と合わせて順次進められ、東西線にタイルの壁のホームはほぼ見られなくなった。

路線によりホームドア設置も壁に

また、近年は各駅でエレベーター設置やホームドア設置が進められている。ホームドアについて東京メトロ全体の現状を見ると、南北線と副都心線は開業時から設置済み、一部線路と車両を副都心線と共用する有楽町線も完了、丸ノ内線は2009年3月の全線ワンマン化に際し設置を完了、銀座線は改良工事中の渋谷を除き設置済み、東西線・千代田線・半蔵門線は進行中、日比谷線は規格が異なる車両への置き換えが進行中のため未施工、という状況。これにより2019年1月7日現在113駅に設置され、全179駅に対する設置率は63%となっている。

その一方、混雑する東西線にはホームドアを早く設置したい思いがあったが、特有のハードルがあった。それは車両形式が多く、それぞれにドア位置が異なることだった。現在、同線には05系・07系・15000系、およびJRのE231系、東葉高速鉄道2000系が走っている。このうち05系の一部と15000系は混雑路線ならではのワイドドア車(開口幅は一般車より500mm広い1800mm)であり、残る05系にも製造時期により当初は有楽町線に投入された07系タイプ、半蔵門線08系タイプがあり、これらがそれぞれ、ドア位置が微妙にずれているのだ。

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