東京メトロ「地下駅」は大変貌の真っただ中だ 「大手町」駅は4路線で雰囲気が大きく違う

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この違いは車内の座席配置から知れる。05系ワイドドア車と15000系は一方の車端から2・6・6・6・2人の順、07系と05系07タイプは4・6・7・6・4人、05系08タイプ(東葉高速2000系とJRE231系も)は3・7・7・7・3人である。いずれも1人当たりの座席幅拡大と座席定員の確保、ドアとの取り合いを検討する中で生まれた。

このため、ホームドアは通常の開口幅より広い二段スライド式のものが必要とされた。特殊構造ゆえ、一般的なものが丸ノ内線等から普及した後、九段下駅の一部に試験品が設置されて実証実験を行っていた。その結果を得て今、設置が進められている。高田馬場・早稲田・飯田橋・九段下の4駅は稼働中、神楽坂は設置を終えて稼働を待つばかり。次に駅全体を改装中の竹橋に設置される。

そこでよくよく見ると、一般的な開口幅の装置では点字ブロック(30cm角)で数えると8枚が並ぶ。それに対して東西線の幅広のものは、12枚と13枚の個所があり、つまり幅広と一口に言っても約30cmの違いを持つ2種類を使い分けているのだった。

さらに、ホームが曲線上で車体との隙間が開く駅ではホームドアと連動の可動ステップがあったり、ホームの縁にゴムを取り付け、接触しても車体が傷つかぬようにしつつ隙間を埋める工夫をしたり、安全対策が進んでいる。赤白のゼブラ模様でホームの縁を注意喚起している駅もある。

輸送力増強目的の大規模改良が目白押し

改良工事の途上で開業来のやや古びた内装がまだ残る南砂町駅。2020年度には2面3線の駅へと面目を一新する(撮影:杉山 慧)

各線ホームとも刷新された大手町駅は次に戻ってくることとして、南砂町へ向かう。ラッシュが激しい東西線では「東西線早起きキャンペーン」が展開され、東葉高速線を含む西船橋方面から都心へ向かう流れを対象に、混雑が激化する前に乗車した人にポイントを付与してラッシュを分散化させる取り組みも行っている(登録が必要)。そのような路線ゆえ、根本策の駅の構造改良を行っている。

都心側からまずは茅場町。日比谷線日比谷・霞ケ関方面への乗り換え混雑を緩和するため、ホームを延伸してエスカレーターと階段を増設、エレベーターも新設する。こうした工事は当然のこと、コンコース階を含めて地下空間を拡張する必要がある。壁はタイルが剥がされコンクリートがむき出しで、天井もパネルが外され黒いネットで覆われた工事真っ最中の姿である。

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