街の図書館が「6割非正規頼み」の厳しい現実

過去16年の都道府県別データをビジュアル化

特設ページを見ると、図書館司書の非常勤職員は16年間で劇的に増えたことがわかる。全国の非常勤司書は1999年度の2272名から2015年度には9593名まで増加。

全体の司書数は増えているものの、常勤(専任)司書が4分の1程度減少した(7345名から5410名)のに対して、非常勤は4倍超の伸びを示す。この傾向は、ほぼすべての都道府県で共通する。

一方で地図からは、非常勤職員への「依存」度合いに地域差があることが見て取れる。たとえば青森県では2015年度の非常勤比率は4割程度にとどまるが、長崎県では8割を超える。専任司書の数はどちらの県も30名程度だが、非常勤司書数には6倍もの開きがあった。

見過ごせない男女差

また、こうしたデータを見る中で見過ごせないのが男女差だ。男女雇用機会均等法が施行されて久しいとはいえ、日本の労働市場においていまだに女性は弱い立場に置かれがちだ。

前掲書では、公務員の正規・非正規職員における賃金格差に関して「非正規公務員の四人のうち三人は女性である。したがってこの賃金格差は、勤務形態の差異を装った男女間の間接差別ともいえる」とも表現されている。

実際に、図書館司書においても同様の現象が見られる。2015年度のデータを集計すると、男性の非常勤比率33%に対して女性は67%。青森・沖縄を除く45都道府県で女性のほうが非常勤比率が高い。この男女差が最も顕著な香川県では、非常勤の司書92名のうち91名が女性だ(下の図も特設ページでダウンロード可)。

青森・沖縄を除く45都道府県で女性のほうが非常勤比率が高い

図書館司書は毎年1万人近くが司書資格を取得するなど、資格としての人気も高い。このまま待遇悪化を放置することは、日本の図書館制度の根幹に影響を与えかねない。

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