「医学部進学に強い高校」ランキングTOP100 5年間の国公立医学部合格者数でランキング

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医学部ランキングの特徴は、灘を含め上位に近畿圏の高校が多いこと。これは、中部圏以上に医学部を持つ大学が多いためだ。滋賀医科大学、京都大学、京都府立医科大学、大阪大学、大阪市立大学、神戸大学、奈良県立医科大学、和歌山県立医科大学の8校があり、中には医学部としては比較的入りやすい大学もある。それに加えて、大企業の本社機能の首都圏への移転が進み、優秀な高校生の将来の就職先として、一般企業が視野に入りにくいこともある。

国公立大医学部の難易度は、東京大学や京都大学に匹敵すると言われるが、それぞれのランキングにおける上位校の顔ぶれは異なる。直近の5年間の東京大学と京都大学の合格者を合計したランキング(以降、東京大学・京都大学ランキング)は、1位開成(894人)、2位灘(672人)、3位筑波大学附属駒場(542人)、4位麻布(513人)、5位東大寺学園(460人)、6位洛南(452人)、7位西大和学園(449人)、8位甲陽学院(416人)、9位聖光学院(391人)、10位北野(377人)。このランキング中、半数の高校は医学部ランキングのベスト10圏外なのだ。

ベスト10圏外の多くは首都圏の高校であり、筑波大学附属駒場が44位、麻布が48位、聖光学院が50位となっている。近畿圏と対照的に大企業が多い首都圏では、優秀な高校生の将来の選択肢が多くある。さらに、首都圏には医学部を持つ国公立大が少ないうえ、東京大学や東京医科歯科大学、千葉大学など医学部の中でも難関の大学が多く、医学部志向が醸成されにくいことも影響している。

ここ数年、首都圏の医学部人気は全体的に下がっている。GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)の社会への影響力が圧倒的なものとなり、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの普及も進む。そうした情報化社会が進展していく中、受験生の視線は情報系に向いているのだ。そうした分野での活躍の機会が多い首都圏では、医学部離れがさらに進む可能性がある。

私立の中高一貫校強いが、地方では公立校が存在感

一方、医学部志向が強い近畿圏では、東京大学・京都大学ランキング10位の北野が、医学部ランキングは63位という結果になっている。北野は、京都大学の合格者数ランキング1位が常連だった時代があり、伝統的に京都大学志向が強い。その傾向は現在でも続いており、一時期の低迷を経て2018年入試では、1984年以来の京都大学合格者数ランキングトップに返り咲いた。

反対に医学部ランキングのベスト10に入りながら東京大学・京都大学ランキングのベスト10圏外の高校には、東海、ラ・サール、久留米大学附設、愛光四天王寺がある。この中で注目したいのは、医学部入試で女子が話題になる中、ベスト10に入った女子校の四天王寺。同校の東京大学・京都大学ランキングは合格者数が102人で78位なので、医学部志向の強さがわかる。

ほかの女子校を見ると、医学部ランキング15位の桜蔭は、東京大学・京都大学ランキングも合格者数355人で11位と、両ランキングで上位に入っている。医学部ランキングで32位に入った豊島岡女子学園は、難関医学部が多い首都圏にあって健闘していると言えるだろう。

医学部ランキングの上位を私立の中高一貫校が占める中、地方では公立校が健闘している。公立校のトップは11位の札幌南で、2018年は北海道大学19人、旭川医科大学9人、札幌医科大学18人など、地元の大学を中心に多くの合格者を輩出している。

北海道では、私立ではあるが、2018年の卒業生が123人と小規模にもかかわらず158人が合格している34位の北嶺も注目したい。北海道以外に目を転じると、13位に熊本、21位に新潟、23位に仙台第二が入っている。それぞれ熊本大学、新潟大学、東北大学といった地元の大学に大量の合格者を出していることが特徴だ。

医学部ランキングの上位校は、合格実績を頼って医学部志望者が数多く入学し、さらにその生徒たちの合格実績を見た医学部志望者が入学するという循環ができている。今後も、国公立大医学部合格者数ランキングの顔ぶれが大きく変わることはなさそうだ。

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