正直にいえば、不利になることも、有利になることもあります。たとえば、企業のリクルーター社員に会った経験は、男子学生のほうが多いのです。文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所のアンケート調査(「新卒採用戦線総括2019」)では、男子57.5%、女子45.9%と10ポイント以上の差がつきました。これでは不利と言わざるをえません。一方で、ある女子学生は「有利だと感じることが多かった」と話してくれました。OB・OG訪問でも、女性であることが有利に働くことが多かったそうです。
従業員における女性比率は高まっていますが、まだ少数派なので、頼れる同性の先輩社会人は多くはありません。だからこそ、頑張る女子学生に手を貸す大人が多いのでしょう。女性であることに甘えすぎるのは考えものですが、支援という善意を利用させてもらうのも一案といえます。
一般事務は中途でも仕事が少ない
いまは新卒だけでなく、中途でも採用難と言われていますが、一般事務に限ればガラリと状況は変わります。厚生労働省が毎月発表している「一般職業紹介状況」の「一般事務の職業」の求人倍率(有効求人数÷有効求職数)をみると0.36倍(11月の全国計、常用<除パート>)となっています。希望者が100人いても、36人分の求人しかないわけです。これは中途採用におけるデータですが、一般事務職を新卒で採用する企業の少なさを考えれば、さらに厳しい状況といえるでしょう。
選考タイミングのリスクもあります。一般事務職の選考は、総合職より若干遅いタイミングでスタートさせる企業がほとんどです。つまり、一般事務だけに絞っていると、内定できなかったときのリカバリーが難しくなります。リスクの高さを認識しておく必要があるでしょう。
「受付の仕事に就きたい」と考える女子学生もいるかもしれません。いわゆる“受付嬢”ですが、新卒正社員で受付専任の求人は、ほぼ皆無です。同様の理由で“秘書”も狭き門になります。厳しい現実かもしれませんが、それらと折り合いをつけながら、意思決定していくことが求められます。
就活生に「企業情報で気になる項目」を選んでもらうと、男女で大きく差が出る項目が2つあります。1つは、育休・産休(男子7.5%、女子51.4%)、もう1つが、福利厚生制度(男子49.5%、女子72.6%)です(データは、ブンナビ!2020の「月例・学生アンケート(11月分)」より)。出産や育児といったライフイベントへの当事者意識の違いを感じます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら