アイルランドの魅力は法人税率だけではない リンクトイン、ドロップボックスが進出するワケ
――アップル、グーグルなど米国の著名企業がアイルランドに進出している。アイルランドは「米国企業の欧州拠点」というイメージがある。
たしかに米国企業は現在、直接投資のおよそ70%を占めている。最近では欧州、アジアからも増えているが、それでも主体は米国企業だ。
その理由はアイルランド政府産業開発庁(IDA)が力を入れている分野では、米国企業がリーダーシップを発揮しているからだ。われわれが注力している分野は4つあり、その4分野だけで全投資の85%に及ぶ。1つ目がICT(情報通信テクノロジー)関連、2つ目がライフサイエンス関連で、製薬、医療機器などの分野だ。3つ目が金融関連の企業。それから4つ目がデジタルメディア、デジタルコンテンツ、ソーシャルメディアなどの新しい産業だ。
武田、アステラスなどが進出
もちろん米国企業だけではなく欧州の著名企業も進出している。いくつかの企業名をピックアップすると、ノバルティスファーマ、サノフィ、アリアンツ、SAPなどがアイルランドに投資をしている。
日本企業も多い。たとえばライフサイエンスの分野であれば武田薬品工業、アステラス工業、グッドマンが拠点を開設している。ICT関連で富士通、アルプス電気、NTTが進出しており、金融サービスセクターの中ではSMBC(三井住友銀行)が積極的だ。航空機のリーシング事業、国際金融サービス、IT関連の開発などを手がけている。ソーシャルメディア、デジタルメディア関連では楽天の子会社であるkobo(コボ)、リクルートが買収した米インディード、ガーラがアイルランドに拠点を設けた。
最近は中国、インドにも事務所を開設し、アイルランドへの進出をサポートしている。中国のファーウェイ、インドのウィプロなどが進出している。
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