「リーマンショック世代」の先輩はなぜ怖い? 2008&09年入社の人を集め理由を探ってみた
石垣さん:良く言えば夢を追っていたし、悪く言えば騙されていた(笑)。当時僕が扱っていたサービスは、全く前例がなかったんです。だからこそ、当たればデカかった。もともとインターネット業界に入ったのも、成り上がれるチャンスがあることが魅力的だったからなんです。まぁ、結局は売れずにサービスも潰れましたけどね。
「自分の武器を身に付ける意識」と「ど根性」
――リーマン・ショックの時代に、厳しい状況だったからこそ得たものもあるのでしょうか?
上野さん:自分のスキルや強み、専門性を意識するようになったのは、リーマン・ショックの影響が大きいと思います。いつでも転職できるように、リーマン・ショックがもう1回起こっても生き残れるように、「これが自分の武器」と言えるようにしておこうっていうのは、入社間もないころから意識していました。この感覚は同世代の傾向としてある気がしますね。
深川さん:会社はいつでも潰れるっていう意識は強くあって、だからこそ自分の力で生きていく力を身に付けなきゃいけない。こういう感覚は他の世代に比べて、リーマン・ショック世代は数倍強いと思いますね。給料や賞与をもらって、土日にしっかり休んで週5出社する生活は当たり前じゃない。キレイなことを言うと、こんな感じですね。
――他にはいかがでしょう?
深川さん:ど根性を得ました(笑)。「こんな時に求人広告なんて出すわけないだろ!」「頭おかしいんじゃないか?」って怒られながら、それでも毎日テレアポや飛び込み営業をしていましたから。
石垣さん:僕は前例のないWebサービスを売っていたわけですが、景気が悪い中で、そんな得体の知れないものに手を出す会社はほとんどなかったんですよ。全然売れない中で、「何とかして頑張ろう!」っていう感じで踏ん張っていた。その時に培われたビジネスマインドは今も残っていると思います。
上野さん:当時は業務量が変わらない中、多くの会社がコスト削減のために派遣社員や業務委託の人を切ったから、一人一人の業務量の負担は大きかったんです。アシスタント業務をやってくれる人がいなくて、何でも自分でやっていた。そういう中で培われた根性っていうのは、僕らの世代に共通しているんじゃないかな。
石垣さん:最低限の人員しかいなかったから、夜中まで働いていたこともあったし、営業に関わることは端から端まで全部やりました。その分“修羅場力”は付いたし、幅も広がって良かったのかもしれない。ただ、自分の基準みたいなものは当時できてしまったものだから、それはあまり良くないとは思います。つい人にも厳しくなってしまうというか……。それが20代の人から「怖い」と言われる理由なんでしょうね。
(取材・文・構成:天野夏海)
20’s typeの関連記事
「根性論が多い」「量をこなして残業するなって矛盾じゃない?」20’sの疑問を“リーマン・ショック世代”にぶつけてみた
「キャリアの“極端さ”は、必ず成長の糧になる」吉本興業→海外転職→炭職人!? を経験した男が、サイバーエージェントで働く理由
ドワンゴ川上量生の‟ブランド人”戦略「No.1人材になるなんて簡単なこと」
「メールは一言」「会議は5分」バイドゥが明かす中国人の“超合理的”な働き方
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら