マック復活の仕掛け人が語る「逆境の仕事術」 MBAよりもビジネスに必要なこととは?
昨今はMBA(経営学修士)ホルダーがグローバル企業で重用されているが、MBA取得は慎重に考えるべき、という。
「MBA自体は、お金と時間があれば、行くのは全然アリだと思います。世界中から集まった成長意欲の高い人たちと濃いネットワークがつくれますからね。ただし、日本に帰ってきて、そのネットワークを活かすような仕事をしなければ、MBAはまったくの無駄だと思います。日本にもMBAが取得できる大学院はありますが、欧米のMBAで獲得できるネットワークとはまったく異質のネットワークなので、そこに価値を見いだすならアリだと思います」
MBAを取得するのにお金と時間をかけるなら、「業績の悪い会社」をはじめとする「修羅場」で実際に悪戦苦闘するほうが圧倒的に成長できるのではないかという。こうした考え方のもと、足立氏はマクドナルド復活のためにどのようなことを実践していったのか。
斬新なアイデアは人からもたらされる
「いま現在、外食を含むほぼすべての会社は、1社くらいなくなってもまったく消費者の生活に支障はありません。ですから、自社の物やサービスを買っていただくには、それなりの理由が必要になります。この『買う理由』を作り出すには、3つのポイントがあります。
1つ目は『友達が言っていたから』『SNS上で流れていたから』『ネットニュースに出てたから』といった口コミです。2つ目は、話題の基になる情報にたくさん触れること、つまり、接触する情報の量を増やすことです。
そして3つ目は、実はほとんどの会社があまりやっていないのですが、お店に来る(買う)別の理由を大量に作ることです。たとえば、マクドナルドで言うと『楽天やドコモのポイントが5倍もらえる』『ポケモンGOができる』『ドラゴンクエストのアイテムがもらえる』といった、ハンバーガーを食べる以外の目的です。3つ目を行うと、お客さんに来店していただける確率と頻度が上がるのです」
「2018年末の決済アプリ「ペイペイ」の2割引きキャンペーンは、ビックカメラにとって、まさに3つ目でしたよね。ビックカメラに行く理由は特にないけれど、ビックカメラでペイペイを使えば20%還元されるから、とりあえず何かを買いに行く、というわけでビックカメラに人が殺到した、という構図です」
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