マック復活の仕掛け人が語る「逆境の仕事術」 MBAよりもビジネスに必要なこととは?

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改革を実行し結果を出すには、人を動かさなくてはならない。しかし、マクドナルドでは当時、足立氏の前任者が8人も替わっていたため、数千人もいる社員から、かなりの不信感を持って迎えられた。

「どの組織にもキーマンがいます。それは組織を動かすキーマンの場合もあるし、会社の邪魔をしているキーマンの場合もあります。元気のない組織を変えていくにはまさに『その人たち』を最初の段階で巻き込むことです。マックの場合のキーマンは、会社に不信感を持っていたフランチャイズのオーナーさんたちでした。まずは、こうしたオーナーさんたちと膝を突き合わせて話をしました」

最後に人をヤル気にさせるのは「感情」

それまでマーケッター、コンサルタントとしてキャリアを重ねてきたが、人に動いてもらうのに必要なのは、ビジネスのロジックや戦略ではなく、「人間くさい部分」だと足立氏は力説する。

「僕自身もコンサルに入る前はロジックや戦略がすごく大事だと思っていた節がありましたが、いざ入ってみると、必ずしもそうではないことに気づきました。ビジネスなので、ロジックがなければただの素人です。ロジックが身に付いているのは「当たり前」で、そこから差が出るのは、人を動かすための『感情の部分』なのです」

また、仕事を動かすために自社にいる人だけに目を向けていては、事はうまく運ばないので、もっと広い視野を持つべき、とも。

「ビジネスを進めるのに大事な人たちは、自分の会社の外にもいるんです。それは外注した仕事をしてもらっている代理店、コンサルタント、制作会社など、業種業態によってさまざまですが、そこも含めて『結果を出すための組織』なんです。

よく社員のモチベーションを上げようとするけど、外注先のモチベーションは上げなくていいというのは非常におかしいことなんですね。こうした外部の人たちもプロジェクトの重要なステークホルダーだから、やる気になってもらわないといけないわけです。下請けをアゴで使う会社って少なくないですが、お金を出しているほうが偉いなんてことはまったくありません。お金を払ってそれに見合った成果を得るのだから、理論上は対等な関係なわけです」

そのため、足立氏は次のような質問をよくする。

「普段お付き合いしている外注先の人たちは、本音では皆さんとお仕事したいと思っていますか?」

逆境にあったマクドナルドで窮地をしのぐことができたのも、いい関係を築いてきた外部のメンバーたちに助けられた部分が大きいと話す。

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