「100年に1度の自動車革命」という煽りの正体 CASEやMaaSのブームに惑わされるな

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自動車メーカーはいま、メーカー直轄のクラウドサービスを車載器と連動させることで、EC (電子商取引)を含めた販売網・整備網の大再編を進めようとしている。

例えば、トヨタは2018年11月1日、全店舗全車種併売を伴うトヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店の事実上の統合を全国で進めることを明らかにした。こうした新しい動きを、広義でのMaaSの中での前段階として、CaaS (カー・アズ・ア・サービス)と呼ぶ場合がある。

大切なのは「当事者意識」

繰り返すが、CASEにしろ、MaaSにしろ、そしてCaaSにしろ、これらは自動車メーカーなど民間企業が自社事業を社内外に認知させるための、単なるマーケティング用語である。そうした用語を使って、メディアが自動車産業再編への危機感を煽る構造だ。

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その多くが、海外発の動きであり、日系自動車産業界の従事者の多くが絶えず「出遅れ感」を意識しているような業界図式となっている。

危機感を持つことは悪いことではないのだが、勝つか負けるか、死ぬか生きるか、または出足が良かったか出遅れたか、といった自己中心的な目先のことばかり考えていると、自社が目指す方向がぶれてしまうのではないだろうか。

誰のために、なぜ、何を、いつまでに、なぜ行うのか。

ブームに踊ることなく、時代変化に対する「当事者意識」を持つことが最も重要だと思う。

桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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