条件そろえば、12月中の金融緩和縮小開始も

米国で仕事をしている私から見た、NPBとFRB

交渉ごとというのは、100%こちらの思い通りにはなりません。何を捨てて何を得るのかということを常に考えねばならず、だからこそ、相手の真意に迫るべくリレーションシップ作りから始めるというのが大原則なのです。今回のNPBの対応を見ていると、まるでシロートで国際交渉のプロから見れば酷いの一言に尽きます。そのうえで、メジャーでやりたいと思っている田中投手がもし、アメリカに行けないと言うのであれば、これはまさに「犠牲者」になって仕舞います。MLBの次回の提案は、少なくとも田中投手の立場に立つならば飲むしかないでしょうね。結局最初の交渉で失敗した、ということです。

Taperingに関する考察

さて、アメリカ経済について少し書いておきましょう。

本稿が出ているころはいよいよアメリカの雇用統計(11月)、というタイミングだと思われます。そうなると例のTapering(金融緩和の規模縮小) の議論が出てくるのは必定でしょう。

日米とも多くのエコノミストはTapering は来年(2014年)という見解で、私も先日まではそう思っていたのですが、もしかするとちょっと違うかもしれない。

というのは、雇用統計は結構良い数字が出そうで、月間20万人の非農業就業者数という数字がキープできそうであること。さらに前回のガバメントシャットダウンで双方とも懲りているようで、今回の予算審議はどうやらスムースに行きそうだと言うこと。このあたりを勘案するとよほどひどい雇用統計が出ない限りにおいて、バーナンキ議長がその言葉どおりTapering・・・・ろうそくの炎の先のような小さな緩和削減・・・を行って、いわば「露払い」をしておいてあとはイエレン新議長にフリーハンドでバトンを渡すというのはかなり美しいシナリオに見えるのです。

バーナンキ議長は既に実績があるとおり、相当慎重な判断をされますので、バトンの渡し方にもかなり気を使うのではないかと思います。そうなるとイエレン新議長がTapering を開始したとして、万が一、早すぎた!!となれば非難を一身に浴びることになりますから、バーナンキ議長が引き際に自ら「犠牲」になる可能性は十分ありそうだな、と思うのですよ。あくまでも条件がそろえばという事ではあるのですが、ワタクシは12月中のTapering はあり、と判断を変えました。結果は・・・・お楽しみに、という事ですね(笑)。

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