朝だけじゃない「夜の満員電車」改善されたか 各社増発…努力が足りない鉄道会社はどこ?
たとえば22時台に東京から立川以遠へ向かおうとすると、一見本数は多いものの実際に使える列車の間隔が20分以上開いてしまう時間帯がある。
22時14分発の中央特快高尾行きを逃すと、立川より先へ行くのは32分発の快速高尾行きまでない。しかもこの列車は35分発の中央特快高尾行きに三鷹で追い抜かれる。つまり、14分発の中央特快を逃すと次は実質的に35分発まで待たなければならないのだ。
30分発の「中央ライナー7号」八王子行きもあるが、日野、豊田へ行く場合は立川で乗り換えなければならず、そこで乗り継ぐのは結局、東京駅35分発の特快となってしまう。全体的な本数は多いものの、遠距離利用者が使える本数は意外に少ないのが中央線の実情だ。
中央線は来春のダイヤ改正で「中央ライナー」「青梅ライナー」が廃止される見返りとして、
JR線はもう少し増発できないか
各路線の過去と現状を見てみると、深夜の満員電車はほとんどの路線で以前より改善されてきたといえる。だが、夜間の本数や増発の状況などを見ると、深夜の輸送サービスで一歩遅れている感が否めないのがJR各線だ。
首都圏のJR各線は10年前と比べて1日あたりの輸送量(平均通過人員)が伸びている路線が多い。たとえば中央線の神田―高尾間は2007年度に66万2251人だったのが2017年度には68万6317人に、埼京線池袋―赤羽間は69万6510人から74万7124人に増えている。同期間に38万2966人から36万1889人に減った常磐線のような例もあるが、必ずしも夜間の利用者が増えているとは限らないにせよ、輸送量が伸びた路線は多少の増発が行われてもいいのではないだろうか。
また、京王井の頭線や東急田園都市線など、増発はしているもののまだ混雑が激しい路線もある。さらなる増発は難しいケースも多いだろうが、柔軟なダイヤ編成によって今後も深夜の輸送サービスの向上に期待したい。
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