ゴーン逮捕で浮き彫りになる「日本の特殊性」

ゴーンと日産をめぐる7つの疑問

報道によれば、ゴーン氏は容疑を否認。供述内容も、同時に逮捕された側近のグレッグ・ケリー日産前代表取締役との間で矛盾はないとされる。

そこで第1の疑問が出てくる。いったいゴーン氏は自身の報酬をどこまで正確に申告していたのか。そして、それは日本の法律に照らして、どこまで違法な行為だったといえるのか、という疑問だ。

なぜここまで問題が放置されていたのか

次に、日産の主張どおりにゴーン氏が過大な報酬を手にしておきながら過少申告によって当局の目を欺き、会社の資金で私腹を肥やしていたとしよう。だとしたら、日産の経営陣はなぜ問題をここまで放置してきたのか。

各種報道によれば、日産には役員報酬を決める「報酬委員会」が存在せず、取締役会が20年間にわたって毎年、ゴーン氏の報酬を承認していたとされる。日産には監査役会が設置されているようだが、だとしたら、外部の監査法人も含めて監査人たちは、ゴーン氏が行ったとされる報酬の過少記載や会社資金の私的流用をなぜ見張らなかったのか。

最高経営責任者が報酬を過少申告したり、会社の資金に不正に手をつけていたとしたら、取締役会がCEOに行動を改めるよう求めるか、解任に動くのが普通ではなかろうか。

だが、日産は特捜部と手を握って、ゴーン氏および側近のケリー氏逮捕に向けて容疑固めに協力する道を選んだ。そのため今回の事件については、日産経営陣がより幅広い企業としての経営目的のためにゴーン氏の報酬問題を利用しただけではないのか、といぶかしむ声が出ている。

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