教養ある大人が密かに実践する「知的な習慣」

ただ情報を消費する生活から抜け出すために

そうしたカギを集めるにはどうしたらいいでしょうか。筆者は今日から実践できる習慣として「二度出会ったらメモをする。三度出会ったものは記録しはじめる」をおすすめします。

たとえば「王は死んだ! 王様万歳!」の例で言うならば、一度目にその表現を目にして気になって辞書で引いたくらいでは、まだそれが自分にとって特別な情報だということには気づかないでしょう。「初めて出会う情報」はいくらでもあるからです。

しかし二度目に出会って、一度目と同じような違和感をもったり、興味をかき立てられたならば、その情報や違和感との出会いをメモしましょう。やがてそれが三度目になれば、それはもう積み上げの始まりです。

二度目と三度目の出会いはすぐであることもあれば、何年も間隔が開いていることもあります。しかし、私たちの「好奇心の記憶」は強く残るものだと私は考えています。そのときにもきっと「あ、これはあの時の」と興味をかき立てられるはずです。

年に一度の、情報の振り返り

コツコツと蓄積した知識が本当に有益なものになっているか、あとで利用可能なものになっているかは、年に一度くらいチェックするといいかもしれません。

『知的生活の設計―――「10年後の自分」を支える83の戦略』 (書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします) 今日から始めることが「10年後の自分」を支える。「趣味」「読書」「情報発信+情報整理」「書斎」「アプリ・ツール」「お金」まで……誰でも実現できる知的生活の考え方と方法論を紹介

たとえば読書。ここしばらくの1冊1冊の読書が点と点になって、何か自分だけに見えるパターンを生み出しているか? 自分の興味が向かっている先はどちらなのか? こうしたセルフチェックしてみるのはおすすめです。

もう1つは「航路」の修正です。最近新しいジャンルの開拓や、新しい体験を積極的にしていないのではないか? 同じ場所で足踏みをしていないか?と振り返ってみます。

そして、それらを“私的なもの”にしておくという点も、重要ではないかと考えます。「この本を読んだ」「このようなあらすじだった」という情報の中には、あなた自身の感想や視点が入りません。これでは、読書そのものの記憶ではなく、「本についての情報」という程度で止まってしまいます。

感想、感情、そのときの状況についても、併せて保存しておきましょう。手帳や読書アプリ、Evernoteといったサービスを使うことを習慣にすれば、誰にでも簡単にできます。

そうした個性化した記録こそが、ほかのどこでも検索することができない価値を生み出してゆきます。そしてそうした個性化こそが、ほかにはない情報の蓄積として成長してゆくのです。

キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
JR東「ダイヤ改正&オフピーク」で狙うコロナ後
JR東「ダイヤ改正&オフピーク」で狙うコロナ後
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
メタバース革命が始まる<br>全解明 暗号資産&NFT

不正流出事件から4年。復活不可能に見えたビットコイン相場は米国主導で活況を取り戻しました。暗号資産を使ったNFTの購入、そしてNFT取引が広がるメタバースにもビジネスの機会が広がっています。日本は暗号資産とどう向き合うのでしょうか。

東洋経済education×ICT