教養ある大人が密かに実践する「知的な習慣」 ただ情報を消費する生活から抜け出すために
そうしたカギを集めるにはどうしたらいいでしょうか。筆者は今日から実践できる習慣として「二度出会ったらメモをする。三度出会ったものは記録しはじめる」をおすすめします。
たとえば「王は死んだ! 王様万歳!」の例で言うならば、一度目にその表現を目にして気になって辞書で引いたくらいでは、まだそれが自分にとって特別な情報だということには気づかないでしょう。「初めて出会う情報」はいくらでもあるからです。
しかし二度目に出会って、一度目と同じような違和感をもったり、興味をかき立てられたならば、その情報や違和感との出会いをメモしましょう。やがてそれが三度目になれば、それはもう積み上げの始まりです。
二度目と三度目の出会いはすぐであることもあれば、何年も間隔が開いていることもあります。しかし、私たちの「好奇心の記憶」は強く残るものだと私は考えています。そのときにもきっと「あ、これはあの時の」と興味をかき立てられるはずです。
年に一度の、情報の振り返り
コツコツと蓄積した知識が本当に有益なものになっているか、あとで利用可能なものになっているかは、年に一度くらいチェックするといいかもしれません。
たとえば読書。ここしばらくの1冊1冊の読書が点と点になって、何か自分だけに見えるパターンを生み出しているか? 自分の興味が向かっている先はどちらなのか? こうしたセルフチェックしてみるのはおすすめです。
もう1つは「航路」の修正です。最近新しいジャンルの開拓や、新しい体験を積極的にしていないのではないか? 同じ場所で足踏みをしていないか?と振り返ってみます。
そして、それらを“私的なもの”にしておくという点も、重要ではないかと考えます。「この本を読んだ」「このようなあらすじだった」という情報の中には、あなた自身の感想や視点が入りません。これでは、読書そのものの記憶ではなく、「本についての情報」という程度で止まってしまいます。
感想、感情、そのときの状況についても、併せて保存しておきましょう。手帳や読書アプリ、Evernoteといったサービスを使うことを習慣にすれば、誰にでも簡単にできます。
そうした個性化した記録こそが、ほかのどこでも検索することができない価値を生み出してゆきます。そしてそうした個性化こそが、ほかにはない情報の蓄積として成長してゆくのです。
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