そのうえで、コンサル会社とは同じようなテーマの仕事や決まったテーマの仕事をするわけではなく、クライアント次第で仕事の内容も性質も多岐にわたりますから、自社の社員の経験やスキルも多岐にわたっていたほうがよいのです。
またその方がチームアップした際に、さまざまな異なる視点でもってクライアントの課題解決に望めますし、個々の人材の経験とスキルがファームの価値のすべてと言っても過言でないコンサル会社にとっては、この多様性は生命線でもありますから、前述(2)の切り口でもって採用を行います。
そして、コンサルとはチームで仕事をする以上は、前述(3)のとおり既存社員との相性であったり、カルチャーに合う人材を欲するというのは、これまた当然のことです。
とはいえ、コンサル会社がクライアントたる企業の具体的社名を出していることはまずありませんから、クライアントにとっての価値、と言われてもわからないかもしれません。
しかしながら、社名こそは伏せているものの、「事例」や「テーマ」という形で多くのコンサル会社が仕事内容の一部を開示していますし、もっというと景気動向や新聞報道などから、「現在企業が抱えている課題とは何か」を考えれば、それがそのままコンサル企業にとってのホットトピックスだったりもします。
既存社員との差別化要因を分析する
したがって、まさにコンサルの仕事同様に、そういった外部情報や限られた情報から「コンサルとして今何が求められているのか」の仮説を立て、それにふさわしい経験やスキルを自分が有しているかを問うべしということになります。
私自身も戦略コンサル会社に応募していた2007年には現在およびその先の将来のテーマは何かを考え、企業再生やグローバル戦略、ベンチャー投資といった旬になるであろうテーマに対して自分に何ができるかを考え、アプローチの方法論を練っていたものです。
また、多様性を考えますと人材がすべてのコンサル会社は、通常少なくともその主要メンバーの経歴を開示しています。
といいますのも、コンサル会社にとっては人材の持つ経験やスキルでもってクライアントにいかに魅力的であると思ってもらえるかが肝なわけですから、結構な詳細が載っていたりします。
求職者としてはそういった情報をもとに、「この人たちになくて、自分が持っている経験・スキルは何か」といった差別化要因を分析することが大切です。
コンサル業界経験者ならいざしらず、未経験であればなおさら既存社員と同じ領域で張り合おうなどと考えないことです。真っ向勝負だけが戦略ではありません。戦う土俵をずらすことで勝負してもよいのです。
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