終電ちゃん×終電の神様、作者が語るウラ話 ストーリー作りの秘訣などエピソード満載
阿川大樹氏(以下、阿川):「終電ちゃん」という名前は知っていて、どんな話だろうと思っていました。
読んでみたら現実にはいないないものが登場して、乗客と話をしたり、物理的に背中を押したり。小説では太刀打ちできません。藤本さんは、どのようにしてこの話を思いついたのですか。
藤本正二氏(以下、藤本):「終電が来た」「終電が行っちゃった」とよく言いますね。終電が擬人化されているように僕には聞こえたんです。そこで、キャラクターにできないかと考えました。
終電にはさまざまなタイプの人が乗っている
阿川:電車にはいろいろな人がいろいろな目的で乗っています。そこで、小説のトレーニングというか、半ば習慣化しているものなのですが、電車内である人を見たら、その人は何歳でどこの生まれで家族はどんな構成で、といったことをいつも考えます。その人の服装を見て、自分の中でつじつまの合う妄想ができれば、その人の存在がすごくリアルなものになる。
藤本:僕はサラリーマンなので、終電にはよく乗るんです。そのとき、終電の乗客の間に連帯感を感じるのですが、阿川さんはいかがですか。
阿川:連帯感ですか。感じますね。逆に、僕が仕事で遅くなってしらふで乗っているときに、酔っ払っている人が乗ってくると、連帯感ではなく反感を持つこともあります(笑)。いろいろなタイプの人が同居している状態は確かに面白い。
藤本:ですよね。その状況の中心に終電ちゃんというキャラクターがいれば、マンガとしてまとまりそうだと考えて、ちょっと描いてみたというわけです。
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