「白色恐怖」という規制
前回にも書いたように習政権が汚職官僚を逮捕し続けることは、一般民衆の不平不満のガス抜きになる。その結果、毎日のように官僚が逮捕されており、いまの中国では、一種の恐怖政治の雰囲気が蔓延しており、歪んだ権力構造ができつつある。
具体的にいえば、秘密警察が強化され、ネット社会の規制を強化している。最近では毎日のように、社会問題をネットで開示しているグループや個人を逮捕している。「ネットで根も葉もない噂を流したから」などといった名目で逮捕されたりしているが、このような現象を、中国では「白色恐怖」と呼んでいる。
当面は、こうした恐怖政治がさらに広がる可能性があり、ぎりぎりと締め付けて、ネットによる世論形成を規制するのが、当面の今後の流れになるのだろう。
だが、果たして、ネットの取り締まりは、どこまで有効なのか。止めようのないインターネットによる「暴露」とのいたちごっこが続くのだろうが、その先に、何があるのだろうか。今回の「一方的な防空識別圏宣言」で緊張が高まっているのは、実は中国国内なのかもしれない。
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