セブンが買収、赤字のニッセンはお買い得? 苦境のカタログ通販大手は大化けするのか

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ネットとリアル店舗の”融合”がカギ

コンビニのセブン-イレブン・ジャパンは、13年度1500店、14年度1600店と、過去最高の大量出店を続ける。それは単にコンビニのシェア拡大のためだけではなく、ネットで注文した商品を店舗で受け取るなど、ネットとリアルの「接点」を増やすという狙いもある。

 セブングループの12年度のネット取扱高は1000億円程度。今後は、グループの300万品目をネットで取り扱える仕組みを構築し、取扱高を16年度に5000億円、早期に1兆円に引き上げることを目標に、ネットビジネスの展開を加速しようとしている。

2日の会見で握手するセブン&アイの村田社長(写真左)とニッセンの佐村社長。

自前で展開するものの、カタログやサイトを構築するノウハウを一朝一夕に獲得できない。実際、セブンの幹部も「ニッセンはうちよりネット通販の実績がある。自前でやるよりも、ノウハウを吸収して学んだほうがよい」と話す。ネット市場の拡大に乗り遅れないようにするためにも、今回の買収に動いたといえそうだ。

 今後の展開については、委員会を立ち上げて検討していくという。ネットで注文したニッセンの商品をセブン-イレブンで受け取れるようになったり、セブングループのリアル店舗でニッセンの商品が買えるようになる可能性もある。また、セブンネットショッピングなどの既存業態は「最終的には一元化することも考えている」(村田社長)という。

通販のノウハウを蓄積したニッセンとセブン&アイの拠点網を生かし、どんなシナジーが発揮できるのか。アマゾンや楽天といった強者の拡大が続く中、「大化けするような新しいビジネスの展開」(ニッセンの佐村社長)をどこまで具体化できるかが、今後のポイントになりそうだ。

平松 さわみ 東洋経済 記者

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ひらまつ さわみ / Sawami Hiramatsu

週刊東洋経済編集部、市場経済部記者を経て、企業情報部記者

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中島 順一郎 東洋経済 記者

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なかしま じゅんいちろう / Junichiro Nakashima

1981年鹿児島県生まれ。2005年、早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、東洋経済新報社入社。ガラス・セメント、エレクトロニクス、放送などの業界を担当。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、ニュース編集部などを経て、2020年10月より『東洋経済オンライン』編集部に所属

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