セブンが買収、赤字のニッセンはお買い得? 苦境のカタログ通販大手は大化けするのか

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縮小

しかし、最近はファストファッションなどの店舗数増加やネット通販が台頭し、消費者はいつでもどこでも衣料品が買えるようになった。そして、気候の変化に合わせて必要な時に必要なものを購入する傾向が高まっている。その結果、ニッセンの顧客もかつてのように、商品を”先取り”して買わなくなっている。

需要期にタイミングよくカタログを発行するため、ニッセンでは多い号で1000ページを超えるカタログのページ数を減らし、発行頻度を年8~12回に増やす方向で検討を進めている。

カタログ通販の縮小は今に始まったことではない。そこでニッセンでは、市場が拡大するネット通販の強化を推し進めている。しかし、13年1~6月期のネットの売上高は338億円(前年同期比1.8%減)と、思ったようには伸ばせていない。

通販業界では、ネット専業の米アマゾンと楽天が存在感を高めている。今年5月に日本通信販売協会がまとめた2012年の「全国通信販売利用実態調査」によると、直近に利用した会社はアマゾンが20.7%とトップで、楽天が12.1%で2位。2強の利用割合が高まる一方で、3位のニッセンは前年よりも2%下落した。

そうした中、ニッセンの前に現れたのがセブン&アイだ。今年11月に行われたセブン-イレブン・ジャパンの40周年記念式典で、鈴木敏文会長は「われわれにとって有利な点は、店数をたくさん持っていること。(コンビニ、スーパー、百貨店などを合わせた)店数はまもなく2万店になる。オムニチャネル化 (ネットとリアルの融合)という点で、世界でも代表的な会社になる資質がある」と、自信満々に語っていた。

セブン&アイは自社でネットビジネスを展開しており、リアル店舗の活用を進めている。本やCD、DVDなどの通販を中心とするセブンネットショッピングでは、セブン-イレブンの店舗で受け取れば送料・手数料が無料になるサービスを実施。ほかにも、イトーヨーカドーの店舗から商品を配送するネットスーパー、セブン-イレブン店舗から弁当などを配送するセブンミールも展開する。

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