「町田ゼルビア」が世界に羽ばたく大きな野望 サイバーエージェント傘下となり目指すこと

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「目指すところは『町田から世界へ』ですので。経営側が口を出すよりは、主役である現場がどう輝けるのかを大事にしています。口出しは、監督であり強化部の仕事ですから。僕はほとんど絡まない。選手から『社長!』と声をかけてもらえたら実はうれしいですが。」

振り返ってみると2000年初頭から、練習後に選手のためにグラウンドにオニギリを持ってきてくれていた女性のボランティアの方など昔から沢山のボランティアスタッフに支えられてきたクラブである。

「今でもボランティアスタッフなしでは運営ができないので本当に助けていただいてます。長期にわたりサポートくださっているボランティアも多く、かけがえのない存在です」(大友)

現在は契約社員を含めて14人の社員とボランティアスタッフに支えられている。

選手や地域の方々が利用するゼルビアキッチン。子どもたちや選手の栄養管理のために作った施設で、これからは地域のコミュニティの場にするべく注力すると大友社長は話した(筆者撮影)

これからサイバーエージェントとの関係はどのようになっていくのか。

今後、サイバーエージェントの成長を加速させるエンジンのひとつはAbemaTV(アベマTV)であり、そのドライバーとなるのが良質なコンテンツである。

サッカーチームである町田ゼルビアはそのドライバーになりうるので、藤田社長も期待しているのであろう。大友にとっても、今後のJ1ライセンス取得のためにサイバーエージェントのサポートが欠かせないはずだ。

「藤田さんは大きくみるとオーナーです。藤田さんもわれわれと同じ想いですし、クラブがしっかり成長していくように協力すると言っていただいてます。私はつなぎ役と思っていただいていいと思います。

私は昔からゼルビアにいるので、育成クラブであることや理念や歴史を一緒に共有しながら大きくなっていければと考えています。一緒にというのはおこがましいかもしれませんけどね。もちろん現場で起こっていることは役員会などで随時共有します」

大友は、藤田社長を「瞬間的に判断ができ、先を読む力に長けた」人物と感じている。

「修羅場を多く経験されていらしゃるからか、あまり表情は出さない方ですが、判断が速い、先を読む力に長けていると感じます。大局をみながらこれほどの企業を育て、そのトップにいらっしゃって謙虚なので本当にすごい。一挙手一投足を少しでも見られたらと思います。ゼルビアの下川(浩之)会長も含めて2人から学べるものがすごくあります」

町田から世界へ!

今の大友は「町田から世界へ」という目標を掲げている。

「ゼルビアに携わってくれていた社員やボランティアの方々などが、胸を張って携わっていたことを世界に誇れるクラブになることが目標です。そのために現場としては育成の町田として確固たるものを出していかないといけません。アカデミーで育った選手が世界に羽ばたき、またゼルビアに帰ってきてほしいんです」

最後に、言い残したことを尋ねると力強くこう発した。

「今まで携わってきてくれた方々を1人たりとも忘れてはいけないんです。このクラブはその人たちが作り上げてきたものです。ビッグクラブを目指すけれども町田の育成の歴史を大事にしていきます」

携わってきた一員として世界中でMACHIDAの名前が認知される日が楽しみで仕方ない。

(文中一部敬称略)

菊池 康平 スポーツライター

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きくち こうへい / Kohei Kikuchi

プロサッカー選手を目指して学生時代と会社員時代の夏期休暇などを利用し12カ国に挑戦。会社を1年休んで挑んだ13カ国目のボリビアでプロ契約を果たす。飛び込みで現地のチームと交渉し、テストを受ける道場破りスタイルを得意とする。現在は16カ国でサッカーに挑戦した経験を夢先生などの活動を通して子どもたちに伝えている。アスリートへの就労支援、KING GEARなどでライター活動、専門学校の講師などにも従事。

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