前田裕二「可処分精神を奪い合う時代が来る」

「個人の熱狂」こそがこの世界を変える

気鋭の起業家は、どのような人に「GAFAへの勝算」があると考えているのか(撮影:風間仁一郎)
Google、Apple、Facebook、Amazon――GAFA。現在の世界で最も影響力があるこれら4社の強さの秘密を明らかにし、その影響力の恐ろしさを説く書籍『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』がいま、世界22カ国で続々と刊行され、話題を集めている。
前回の記事で、次世代ビジネスの主戦場である「可処分精神の奪い合い」においてGAFAは弱点だらけであると指摘したのが、アーティストやアイドルなどの配信が視聴でき、さらに誰でもすぐに生配信が可能な双方向コミュニケーションの仮想ライブアプリ「SHOWROOM」を運営、新刊『メモの魔力』(幻冬舎)も話題となっている若手起業家、SHOWROOM株式会社代表取締役・前田裕二氏だ。
では、どのような主体が、GAFAを打ち倒せるのだろうか。後編をお届けする。
前編:前田裕二氏「GAFAには、弱点があると思う」

利己的欲求に根差した利他的行為

そもそも、人々が「富」自体に引き寄せられなくなる可能性もあると思っています。

社会が成熟化するにつれ、富によって人が得られる限界効用は逓減します。要は、もう十分に衣食住も満たされているし、嗜好品も手に入る。お金はあればうれしいけど、お金が増えたからといってそんなに幸せは増えない。むしろ、友達だったり、居場所だったり、時間のほうが欲しい。社会が発展すると、そういうふうに人のモチベーションが変わってくる。

『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』は、12万部のベストセラーとなっている(画像をクリックすると特設サイトにジャンプします)

人間は、一定の生理欲求や物理的な安全が満たされると、次には精神的な充足を求めるようになるのです。マズローの言う尊厳欲求や承認欲求などがそれに当たりますね。

たとえば、アリババのジャック・マー会長が慈善活動をすると言って引退を表明しました。あの話を聞いて、「すばらしい」と受け取る人もいるかもしれないですし、一方で、「利己的だ」とも言えるかもしれない。ほかの人のために生きる、と言っているのになぜ利己的なのか?

それは、もはや彼にとって、10億だろうと100億だろうと、もうこれ以上富を蓄えるインセンティブや、それによる効用が限りなくゼロになってしまったということでしょう。お金によって得られる幸せではなく、彼の助けによって誰かが救われるとか、それによって評価されることから得られる幸せを求めるようになったわけです。

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