地方から相次ぐカジノ誘致のラブコール 観光への波及期待

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東京・大阪、ビジネス客獲得で高い収益性

東京と大阪という二大都市にカジノができれば、地方に建設するカジノよりも収益性がよくなる可能性は高い。

カジノを含めた複合リゾートをグローバルに展開するラスベガス・サンズやMGMリゾーツインターナショナル は、カジノを日本で運営するなら東京や大阪でやりたいと表明している。

「東京と大阪はビジネスと金融の主要ハブだ。だからこの2つの都市ならビジネス客がいて、彼らから観光の需要も出てくる」と、サンズグループ傘下でシンガポールにおいてカジノ運営を手掛けるマリーナ・ベイ・サンズCEOのジョージ・タナシェビッチ氏は指摘する。東京で9月に行ったプレゼンテーションでは、東京湾にできたカジノの模型を披露した。

活性化の切り札、地方も誘致に意欲

その一方、地方からのアピールも相次いで出てきている。その1つが、1960─70年代に温泉で集客力を発揮した静岡県熱海市。

「日本の人口がどんどん減っている中で、これから観光地では海外のお客様とどう取り組むかが非常に大切になる。温泉と日本食とフジヤマゲイシャだけでは駄目で、やはりそこに外国人における文化的な要素の高いカジノという要素を入れることで外国人からも人気の観光地にするができる」と、熱海・カジノ誘致協議会の森田金清氏は力説する。

北海道もカジノの誘致に熱心だ。小樽市、苫小牧市、釧路市が候補地として積極的に活動している。

米カジノホテルチェーン、シーザーズ・エンターテインメントの国際部長、スティーブン・タイト氏は、大都市から北海道の山間の温泉地まで、日本中どこにでもカジノホテルを運営することができると話す。そのシーザーズの幹部がすでに釧路市を訪問。カジノ建設の可能性を探った。

これに対し、釧路市関係者は周辺の温泉地にカジノを建設することを提案しており、カジノ誘致によりアイヌ民族文化を知ってもらういい機会にもなると、誘致に意欲を高めている。

オーストリアを拠点とするカジノ・オーストリアは、小樽などでのカジノ運営に興味を示している。小樽市には年間700万人の観光客が訪れるが、ほとんどが日帰りだ。小樽市の中松義治市長は、カジノが誘致されれば観光客は宿泊も兼ねるようになり、彼らが小樽市に落とすカネも、大幅に増えるだろうと期待する。小樽市の人口の約三割が65歳以上と、北海道の中でも高齢化比率は高い。カジノが観光を盛り上げてくれれば街の活性化につながると、同市長はみている。

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