地方から相次ぐカジノ誘致のラブコール 観光への波及期待
[佐世保/小樽 28日 ロイター] -日本で合法的なカジノ運営が現実味を帯びる中、各地の地方都市からカジノ誘致の動きが相次いでる。カジノと観光がリンクして国内外から旅行客が訪問するようになれば、高齢化と人口減少に悩む多くの地方都市で、経済活性化の切り札になるとの思惑があるからだ。
マカオやシンガポールに出没する多額のかけ金でカジノを利用する「ハイローラー」がどの程度、日本にやって来るかも、カジノ運営の巧拙を計る目安になるかもしれない。
カジノは全国に4カ所との声
日本でカジノが解禁された場合、潜在的なマーケット規模は年間150億ドルになるとの試算も出ているが、これはマカオに次ぐ規模だ。このため「日本のカジノ解禁」をにらんで、世界中のカジノオペレーターたちが、多様なビジネスモデルを検討している。
超党派の国会議員が今国会に提出予定のカジノ法案の中には、2つのタイプのカジノ建設案が盛り込まれている。
1つは統合型リゾート(Integrated Resort)。多様な観光資源を組み合わせ、観光地としての競争力を高めようとする取り組みで、ホテルや国際会議場、エンタテインメントなどの複合施設の中にカジノも創設される案だ。
もう1つは地方都市にコンパクトなカジノ施設を作ろうというスタイルだ。すべての関係法案が国会を通過すれば2015年にもカジノが合法化される。
法案にかかわった超党派の議員からは、カジノをどこに何カ所建設すべきかという具体案は出ていない。ただ、一部の政治家や有識者は大都市と地方のそれぞれにまず合計で4カ所程度のカジノを建設しその後、段階的に数を増やしていくのではないかという見通しを示している。