日経平均、円安加速で一段の期待も 終値ベースで年初来高値を更新
[東京 28日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日ぶりに大幅反発。5月22日に付けた終値ベースの年初来高値1万5627円を更新した。
2007年12月12日以来、約6年ぶりの高値水準となる。世界的な株高や外為市場での円安進行が買い手掛かりとなり、短期筋による先物買いや主力輸出株を中心とする物色が広がった。今晩の米国市場休場(感謝祭)を控え海外勢のフローは減少したが、根強い先高観から利益確定売りをこなす展開となり、後場にかけて先物主導で上げ幅を拡大した。
日経平均と為替との連動性は引き続き強い。ドル/円が5月29日以来の高値となる102.28円まで上昇したほか、ユーロ/円も2009年6月以来の139円台乗せが視野に入っており、短期筋による円売り・株買いの動きが高まった。テクニカル面からは短期的な過熱感が解消されていないが、ドル、ユーロだけでなく韓国ウォンなどに対しても円安傾向が鮮明で、株式市場は輸出企業の競争力が一段と高まるとの期待を膨らませている。
ドル/円、日経平均ともにチャート上は三角もち合い上放れの形であり、後場は売り方の買い戻しを狙う「踏み上げ相場」の様相となったが、取引時間中の年初来高値1万5942円には届かなかった。東証1部売買代金は連日の2兆円割れと低水準だった。市場では「年内は軽減税率廃止に伴う個人の売りなどで伸び悩む場面もありそうだが、緩和的な金融環境と景気拡大による株高の基本的な構図に変化はない」(みずほ証券ストラテジスト兼エコノミストの倉持靖彦氏)との声が出ていた。
個別銘柄では、マツダ<7261.T>が年初来高値を更新したほか、トヨタ<7203.T>、ホンダ<7267.T>など自動車株が堅調。対ユーロでの円安進行を手掛かりにTDK<6762.T>やコニカミノルタ<4902.T>など欧州関連株にも高値更新銘柄が目立った。半面、日医工<4541.T>、石川製作所<6208.T>などは軟調だった。
東証1部騰落数は、値上がり998銘柄に対し、値下がりが625銘柄、変わらずが138銘柄だった。
(河口浩一)
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