「疲れ」がいつまでも取れない人の根本原因 重要なことは「疲れ」からの急速な回復だ

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リカバリーとは、一朝一夕にできるものではない。

疲れのたまらない体を手に入れるため、これからリカバリーを生活習慣に取り入れようとするなら、最低でも1カ月くらいは意識して、誤った生活習慣を見直し、正しい習慣を身に付けようという心構えが必要になる。

だが、意識づけが必要なのは最初だけで、習慣としてなじんでしまえば、あとはそれほど意識しなくても日常的に行えるようになるはずだ。

3ステップのリカバリー法

僕が考えるリカバリー法は、3ステップで進める。

まずは、「悪いものを入れない」という第1ステップ。

たとえば、目の前に汚れた池があるとする。そこには絶えず排水や汚水が流れ込んでいて、どんどん汚くなっていく。

この池の水をきれいにするにはどうしたら良いか? まずは、排水や汚水が流れ込むルートを遮断することが必要だ。どれだけきれいで新鮮な水を池に注ぎ込んでも、絶えず汚い水が流れ込んでくる状態では、いつまで経っても、池の水はきれいにならない。そのため、まずは「悪いものを入れない=上流を断つ」ことが、リカバリーのファーストステップになる。

次に行うのは、「体から毒を出す」ということ。すなわち、解毒である。

先ほどの池の例で考えてみれば、排水や汚水がこれ以上流れ込んでこない状況になったら、次は、水面に浮いたゴミを取り除いたり、底にたまった泥を捨てたり、といった作業を行うだろう。

体もこれと同じで、老廃物や未消化の食べものなどが体内に蓄積している状態では、どれだけ体に良い栄養素やサプリメントを摂取したとしても意味がなくなってしまう。

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特に現代人は、さまざまな毒性物質にさらされている。農薬、ダイオキシン、内分泌攪乱物質(環境ホルモン)などの人工的な毒もあれば、カビやウイルスなどの微生物のリスクもある。

また、食べものに含まれる添加物も体にさまざまな悪影響をもたらすことがある。

こうした毒素を体外へ排出することは、内臓機能を正常化し、代謝をスムーズにして、疲労がたまらない体を作るベースとなる。

近年はデトックスブームでもあるので、解毒の大切さや必要性は容易に想像できるだろう。

3つ目のステップは、「体に良いものを入れる」ということ。これがリカバリーの最終段階で、悪いものを断ち、体から毒素を出して、初めて体に良いものを入れるのである。

よく、「疲れが取れない」といって、慌てて強力な栄養ドリンクに頼る人がいる。だが、これはまったくの対症療法でしかなく、「疲れを感じている体」を改善するために、本質的な努力を何もしていない。

リカバリーを実践して、体の回復力が上がってくると、自然と毎日エネルギッシュに過ごせるようになり、大げさではなく、世界が違って見えるはずだ。そのためにも最低1カ月間意識して、生活習慣の見直しに取り組んでほしい。

竹下 雄真 デポルターレクラブ代表

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たけした ゆうま / Yuma Takeshita

1979年3月26日生まれ神奈川県出身。早稲田大学スポーツ科学研究科修了。1998年米シアトルでパーソナルトレーナー研修に参加。帰国後、都内パーソナルトレーニングジムにてスポーツ選手をはじめ多くの著名人や経営者の肉体改造に携わる。独立後に「デポルターレクラブ」を立ち上げ、2011年西麻布にパーソナルトレーニングジム、2014年コートヤードHIROOにて「デポルターレヨガ」、「デポルターレケア」をオープン。トップアスリート・著名人・一流ビジネスマン等の会員が集まるクラブ運営を軸に、プロダクトやエクササイズコンテンツの開発など活動の場を広げている。

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