東京五輪も争点となる台湾「住民投票」の行方 統一地方選で渦巻くポピュリズムとフェイク

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日本が関係し、国際的な注目を集めている住民投票もある。東京五輪への「台湾」名義での参加是非を問う案だ。

台湾は現在、国際オリンピック委員会(IOC)との取り決めで、「チャイニーズタイペイ(中華台北)」としてオリンピックに参加している。その一方で「台湾は台湾だ」として、スポーツの国際大会参加時の名称に不満を持つ人は少なくない。今回の住民投票を後押しした団体は、東京五輪では名前を変えて「台湾」として参加することに賛同するよう求めている。

日本への期待と日本側のいらだち

名義変更を訴えるグループの一部には、日本に対する期待もある。「台湾と関係が深く、親台湾の人が多い日本で開催される五輪開催ならば、台湾名義での参加も可能ではないか」(投票を支持する独立急進派)。

これに対し、日本の親台派の与党国会議員は、「台湾の気持ちはわかるが、安倍(晋三)首相訪中のように、中国との関係改善が進んでいる現状で、日本として必ず成功させないといけない五輪で揉めたくはない」と話す。日本の台湾研究者からも、「日本はスポーツと政治を切り離して考える傾向が強い」と否定的な声が上がる。

国際的な問題である台湾の参加名義は、住民投票が成立したからといって変えられるわけではない。16日には、IOCが台湾当局に対して書簡を送付。名義使用を取り決めた協定に違反した場合、資格停止や除名処分が行われると警告した。

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