「国会1月4日召集」は安倍首相の「日程政治」か

「日ロ」「同日選」視野に参院選投票日を選択?

安倍首相は11月16日、今年度の第2次補正予算の編成を指示した(写真:ロイター)

「選挙の年」となる来年の通常国会を、通例の1月中下旬ではなく、1月4日に召集する案が、政府・自民党内で浮上している。今年相次いだ台風や地震災害などを受けての国土強靭化を軸とする今年度第2次補正予算案を編成し、通常国会冒頭での審議・成立を図るというのが、理由とされる。だが、政界では「政局展開に合わせて参院選投票日を設定したい」との安倍晋三首相の意向を踏まえたもの、との憶測が広がっている。

1月4日召集なら通常国会の会期末は6月2日となる。会期延長がなければ、公職選挙法の規定を踏まえて7月下旬までの複数の選択肢から政府(首相)の判断で参院選投票日を決めることができる。さらに、状況次第では首相が衆院解散を断行して衆参同日選に持ち込む可能性も残すことができるというわけだ。第2次政権発足以降の政権運営で首相が駆使してきた"日程政治"のしたたかさが浮かび上がる。

1月7日以降の召集なら投票日は選択できず

現行の国会法では、通常国会(常会)は1月中に召集し、会期は150日間と定められている。国政上の最重要案件となる新年度予算の年度内成立を図るため、1月中下旬に召集されるのが通例だが、政府が当年度の補正予算案を提出する場合は、その審議時間を確保するために、召集日を繰り上げる必要がある。

首相は11月16日、訪問先のオーストラリアで記者会見して「国土強靭化などのための第2次補正予算を編成する」と表明し、帰国後の20日の閣議で正式に指示した。これを受けて政府・自民党内から通常国会を1月4日に召集する案が浮上した。通常、大型補正予算の成立までには、衆参両院で1週間から10日間程度かかるため、本予算の審議日程を遅延させないためにも早期召集が必要との理屈だ。

しかし、1月4日は正月三が日明けの金曜日で、「日程的にも多少余裕がある中、本来なら実質的な仕事始めとなる週明け7日以降の召集が自然」(自民国対)でもある。にもかかわらず4日召集案が浮上したのは、参院選日程設定との絡みがあるからだ。公職選挙法では、参院選について、①(改選議員の)任期が終わる日の前30日以内に行う、②その期間が国会開会中または閉会の日から23日以内にかかる場合は、閉会の日から24日以降30日以内に行う――と規定している。
  
来年改選の参院議員の任期満了は7月28日であるため、1月4日から6日までに召集すれば、①の規定が適用され、国会閉幕後に政府の判断で選挙日程を決めることができる。ただ、1月5日と6日は土日のため、現実には1月4日召集に限定される。4日召集の場合、投開票は日曜日が慣例のため、6月30日、7月7日、同14日、同21日の4つの日曜日のいずれかを選択することが可能になる。

しかし、1月7~8日召集なら投票日は6月30日、9~15日なら7月7日、1月16~22日なら7月14日、1月23~29日なら7月21日というように、「投票日は選択できず、事務的に決まる」(総務省)ことになる。だからこそ、参院選の予定される年は、投開票日の設定に直結する通常国会召集日が「首相の思案のしどころ」(官邸筋)となるわけだ。

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読売新聞主筆として93歳の今も、社論をまとめる要の役割を果たしている渡邉恒雄氏。安倍首相と定期的に会食するなど、なお政治のキーマンでもある。歴代の首相を知る同氏は現在の政治とメディアをどう見ているのか。本誌編集長がインタビュー。