シェイクシャックの行列がいまだに続く理由 上陸3年で10出店、今後の戦略をCEOに聞いた

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――日本の特徴や日本人の好みに合わせた戦略は採っていますか。

たとえばデザートの原材料でチョコレートを選ぶときに、日本のチョコレートを見つけるなど、細かい部分で日本の顧客の好みに合うように工夫をしている。一方でコアメニューに関しては変えずに、そこは世界共通の味を提供するようにしている。

日本限定のブラックセサミシェイクがまさしくそうで、世界でいちばん好きなシェイクだ。さくらシェイクも日本でしかやっていない。アメリカでも展開したくて研究しているが、あの味が出せない。桜を持ち帰って実験しなくてはいけない(笑)。

「数値目標は大事ではない」

――今年の10月からはコーヒーを発売しました。

実は日本のお客様からいちばん要望が多かったのが、コーヒーだった。アメリカでは朝食でしかコーヒーを提供していないが、日本ではすごくコーヒーを求められて、発売以降はよく売れている。

Randy Garutti(ランディ・ガルッティ)/2004年にアメリカ・ニューヨークにシェイクシャック1号店を出店。2007年同社CEO就任。現在13カ国に計180店を展開(撮影:今井康一)

たとえば午後3時ごろなど時間帯によっては、デザートとコーヒーを求める人もいる。一方でバーガーと合わせてコーヒーを飲みたいという声もあるようだ。これまでは温かい飲み物が充実していなかったので、冬に向けてホットコーヒーとラテを発売したのは大きい。コーヒーも日本人の好みに合ったコーヒーを使っている。

――具体的に掲げている今後の目標はありますか。

数値的な目標は大事ではない。1つひとつのお店をすばらしいものにしなければいけない。近所に出店したら前の店をさらによくしないと来ていただけないので、そこに力を入れる。今は特に「この数字を」というのはない。

佐々木 亮祐 東洋経済 記者

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ささき りょうすけ / Ryosuke Sasaki

1995年埼玉県生まれ。埼玉県立大宮高校、慶応義塾大学経済学部卒業。卒業論文ではふるさと納税を研究。2018年に入社、外食業界の担当や『会社四季報』編集部、『業界地図』編集部を経て、現在は半導体や電機担当。庶民派の記者を志す。趣味は野球とスピッツ鑑賞。社内の野球部ではキャッチャーを守る。Twitter:@TK_rsasaki

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